社長交代の挨拶をする京都山城地域振興社の脇前社長㊨と浅井新社長(23日、京都府宇治市)

京都府南部の山城地域(京都府宇治市、城陽市など12市町村)の連携強化と観光地域づくりを推進する京都山城地域振興社(お茶の京都DMO)は23日、2027年度を最終年度とする10カ年の「観光地域づくり戦略」の改定案を公表した。新型コロナウイルス禍後にインバウンド(訪日外国人)観光が本格的に復活しつつあることから「インバウンドをコアターゲットとした誘客の推進」を24年度以降の重点施策に掲げた。

同日開催した定時社員総会に報告事項として提出された。具体的には、観光情報の多言語化、観光施設での接遇力・おもてなし力の向上、ウェブ環境の充実などに取り組む。

「インバウンドツアー催行件数」「通訳案内士等の育成者数」などについて、新たに重要業績評価指標(KPI)を設定して達成を目指す。コロナ禍以前も山城地域を訪れる外国人旅行者は増えていたが京都市や奈良市には及ばず、いわゆる「通過地域」となっており、改善の余地が残されていた。

報告後の意見交換では「JR奈良線にも外国人旅行者はたくさん乗るが、城陽駅で降りる方は少なく、寂しい思いをしている。京都市内、宇治市内から南の方にも周遊で波及するように力を入れていただき、我々も一緒に取り組んでいきたい」(村田正明・城陽市副市長)、「小さな自治体では多言語に対応することがなかなか難しい。積極的にご支援をお願いしたい」(西谷信夫・宇治田原町長)といった声が出ていた。

同日の総会と取締役会を経て、17年の同社設立以来社長を務めてきた脇博一氏が退任し、新社長に元・中之島高速鉄道相談役の浅井栄一氏が就任した。

元・京阪バス会長の脇氏は「鉄道・バスの経験から様々な交通事業者と連携を深め観光基盤づくりに取り組んできた。少しでも皆様のお役に立てたのであればうれしい」と挨拶した。浅井氏は「行ってみたい、また行きたいと思われる山城地域のために皆様と一緒に知恵と工夫で頑張っていきたい」と述べた。

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