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<手術跡を止めていた医療用ステープラーはその日の朝に外され、妻とお祝いの食事に出かけた先で思わぬ悲劇に見舞われた>
レストランで朝食をとっていたフロリダ州の男性が、食事中に大きなくしゃみをしたところ、体から内臓が飛び出してしまうという「不幸」というにはあまりにも衝撃的な出来事があった。この63歳の男性は先日、腹部の手術を受けたばかりだったという。食堂のテーブルでくしゃみと咳をした後、手術跡から大腸の一部が飛び出していることに気がついた。
■【画像】くしゃみをした米男性、手術跡から「腸」が飛び出し救急搬送...論文に掲載された衝撃の画像
「American Journal of Medical Case Reports」で発表された最新の論文によれば、この男性は15日前に手術を受けており、傷口のステープラー(医療用ホッチキス)は、その日の朝に外されたばかりだった。
論文には次のように書かれている。「男性は朝食中、大きなくしゃみをした後に咳込んだ。そしてすぐ、下腹部の『ぬれた』感覚と痛みに気付いた。見下ろすと、最近手術した部位から、ピンク色の腸が折り重なるように出ていた」
「彼はどうしたらいいのかわからず、露出した腸をシャツで覆ったと後述している。彼は当初、自分で運転して病院に行こうとしたが、体勢を変えると腸が傷つくかもしれないと不安になり、妻が救急車を呼んだ」
夫妻はその朝、医療用ホッチキスが外れたことを「お祝いするため、朝食に来ていた」と、論文には書かれている。
救急隊員は腸を体内に押し戻そうとしたが考え直した
救急車が食堂に到着したとき、出血はほとんどなかったが、約7.5センチの傷口から「大量の腸」が飛び出していた。論文によれば、救急隊員は腸を押し戻そうと考えたが、傷つけてしまう可能性があったため実行しなかった。結局、救急隊員は腸をパッドで覆って男性に固定し、男性に鎮痛剤を投与して病院に急行した。
救急外来に到着すると、すぐに泌尿器科を受診した。男性のバイタルサインは正常範囲内にあり、血液検査を行なったところ、直近の検査結果と変わっていないことが確認された。男性の同意を得たうえで、鼻から胃管を挿入し、試験開腹が行われた。
「3人の泌尿器外科医が、飛び出した腸を慎重に腹腔内に戻した。小腸もすべて調べたが、損傷の痕跡はなかった」と論文には書かれている。「縫合線は、中央で離開していることが確認されたのち、さまざまな縫合糸で閉じられた」
くしゃみは、鼻腔から刺激物を排出するための反射運動だ。ほこり、花粉、煙、強い匂いなどの異物が鼻腔に入ると、粘膜が刺激される。体はこれに反応し、鼻と口から空気を勢いよく吐き出す。時速100マイル(約160キロ)に達することもある。
くしゃみで肺や脳組織が破裂するなど深刻な症例も
くしゃみによって負傷した例はほかにもある。くしゃみの後、肋間肺ヘルニアになったり、肺が破裂したり、さらには、脳組織が破裂したりした症例も報告されている。また、顔を骨折した例もあるほか、くしゃみの際に血圧が上昇し、命に関わる大動脈断裂が起きたこともある。
今回のケースは、縫合線の離開が原因だった。手術でできた傷がうまく治らず、傷口が開いてしまったのだ。この男性が受けた手術の合併症としてはよくあるもので、2023年の論文によれば、嚢胞切除手術の約7%で、何らかの離開が起きているという。
論文には、次のように書かれている。「手術創の離開はよく知られた合併症だが、嚢胞切除後の手術部位から内臓が飛び出した症例は医学文献にあまり記載されていないため、この症例は重要だ。2024年5月に医学文献データベース『PubMed』で『嚢胞切除 AND 内臓飛び出し』を検索したところ、嚢胞切除後の腹壁からの内臓飛び出しに関連する結果は7件のみだった」
(翻訳:ガリレオ)
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