国内初となるアフリカゾウの人工授精を受けたマオ=盛岡市新庄の同市動物公園で2024年7月5日午前、佐藤岳幸撮影
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 盛岡市動物公園は4日、飼育しているメスのアフリカゾウ・マオ(22)の人工授精を実施した。今年10月ごろに妊娠した可能性があるかどうか判明し、経過が順調であれば2026年春ごろに出産となる見通し。

 この試みは06年に来園する前からマオを研究していた岐阜大学と同園の竹花秀樹さんによって準備が進められていた。18年にオスのたろうが死んだことから、同年、同園が動物の人工授精の第一人者であるトーマス・ヒルデブラント氏に依頼。コロナ禍での中断期間などを経て、今回の人工授精となった。

 マオへの授精は4日午前中に行われ、13年に南アフリカの野生のオスから採取した精子を使って、およそ1時間で終了。その後、「通常のサイクルで生活することが大切」(竹花さん)として、翌5日にはマオは屋外の「ゾウテラス」に出て、草を食べていた。

 日本動物園水族館協会によると、国内で飼育されているアフリカゾウは12園・館に22頭しかいない(昨年末現在)。また、野生のアフリカゾウは象牙採取のための密猟などで急速に生息数を減らし、輸入は事実上不可能なため、国内での繁殖に注目が集まっている。

 18年あまりマオの飼育を担当している竹花さんは「このままでは盛岡はもちろん、国内からもアフリカゾウがいなくなってしまう。展示し続けることは、ゾウの大切さを多くの人に伝え、野生種の保護にもつながる。ぜひ成功させたい」と話す。【佐藤岳幸】

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