飲食店などを探す時に参考にする「口コミ」。

グーグルマップに書かれた病院の口コミをめぐり、大阪の医師などが「グーグル」に賠償を求める集団訴訟を起こしました。

18日、会見を開いたのは、大阪や東京など全国の医師ら約60人による原告団です。

【原告】「勝手に閉業にされてしまったり、これは明確な営業妨害であって、表現の自由とか、そういう次元の話ではありません」

医師らが怒りをあらわにしたのは、グーグルマップに掲載された病院の口コミについてです。

【口コミ】「とにかく診断したい人は×」
「インフルエンザで辛そうにしていたのに、荒っぽい施術」

これらが投稿されたのはグーグルマップ。

施設の口コミを書き込んだり、評価をつけたりできる機能がありますが、誹謗中傷や、勝手に「閉業」と書くなど、悪質な投稿もあるといいます。

原告の1人、大阪府茨木市の耳鼻咽喉科医・結城和央院長も、患者の投稿に驚きを隠せませんでした。

【ゆうき耳鼻咽喉科 結城和央院長】「『喉が痛いならロキソニンを出しときますね、で終わり』(と書かれた口コミを読み上げる)」
「医学的にはこの治療法をした方がいいのはあっても、患者さんはこっちをしてほしいという、ずれがあるんですけど。必ずしも患者さんの言う通りにやると医学的にはいい結果にならないことも多いですから。患者さんの評価だけで医療を評価するのは難しいんじゃないかなと」

地図を検索するとすぐに出てくる口コミは、病院選びに多少なりとも影響を与えるようで…。

【30代 女性】「なんだかんだ(口コミは)1、2位くらいで重要視してる。待ち時間がどんなものなのかとか。特に子供を連れて動くことが多いので、その辺も重要かなと思って参考にしています」

【男子大学生】「小さい頃から診てもらっているから大丈夫やろうと。(口コミが)書かれていたら不信感というか、行きにくくはなりますかね」

医師らは、悪評への対応を強いられるなど不利益を被り、営業権を侵害されたとして、グーグルに対して原告1人あたり2万3000円、あわせておよそ140万円の損害賠償を求めました。

【原告】「表現の自由を制限しようとしているのではないかと思われることが多いですが、反対です。むしろ今のようなグーグルマップの状態が続けば、表現の自由は危うくなる」

グーグルは取材に対し、「不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めていて、個別の案件はコメントを差し控える」としています。

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