高温多湿のこの時期は、細菌による食中毒が1年で最も発生しやすいと言われています。県内では、今年に入ってから先週までの食中毒の患者が、すでに去年1年間の患者数を上回っています。
 
県によりますと、去年は20件中15件が、寄生虫のアニサキスによる感染だったのに対し、今年は1度に多くの患者が出やすい大腸菌やノロウイルスによる感染が多い傾向にあるためということです。細菌による食中毒を防ぐため、家庭でできることを県の担当者に聞きました。
 
県によりますと、今年に入ってから先週までに発生した食中毒は8件で、70人が感染しました。前年同期に比べマイナス8件、プラス19人となっています。
 
県健康福祉部衛生課の五十嵐映子主任は「夏場は高温多湿になって細菌が増殖しやすい環境になるので、細菌による食中毒が発生しやすい」と話します。
 
食中毒は、原因となる細菌や寄生虫などが手や食材を介して体に入ることで起こる病気です。五十嵐主任によると「ここ数年、アニサキスの寄生虫による食中毒が多い傾向にある。福井でもアニサキスによるものが多かったが、先週3年ぶりに病原性大腸菌による食中毒が発生した」ということです。
 
6月21日に発生した食中毒では、若狭町内の旅館で料理を食べた県外の中学生11人が腹痛や下痢などの症状を訴え、二州健康福祉センターは、腸管病原性大腸菌によるものと断定しました。
 
ただ、食中毒は家庭でも起きやすいため注意が必要です。予防するには三大原則「つけない、増やさない、やっつける」を守りましょう。細菌を「つけない」ためには食材を買うときから気をつける必要があります。
 
五十嵐主任は「肉や魚だと、汁が出たりしてそこに菌がいることが多いので、他の食材と混ざらないようにすることが重要。調理のときは、手洗いをしっかりすること」と呼びかけます。
 
手洗いをして手についた病原体を流すことで、細菌が体の中に入ることを防ぎます。また、細菌は75度以上の高温で1分以上熱すれば死滅します。調理をするときは十分に加熱しましょう。
  
県健康福祉部衛生課・五十嵐映子主任
「夏になると細菌性の食中毒が増えてくる。病原体を『つけない、増やさない、やっつける』ことが原則となる。食材の加熱などを十分にしてもらい、それから食べるようお願いしたい」

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