この春、男女共学になるなど、大きな変化を迎えた鹿児島商業高校。その様子は、KTSライブニュースでもたびたび紹介してきました。女子生徒の入学から3カ月余り。実際に学校にはどんな変化があったのでしょうか。鹿商の1学期を追いました。

2024年4月。創立130周年の節目を迎えた鹿児島商業高校には、ある大きな変化が訪れていました。

「男女共学」化です。

男子校の時代が長かった鹿児島商業高校。学科の再編も行われ、新たな一歩を踏み出しました。

入学式の緊張した様子とは打って変わって、校内にはにぎやかな声が響いていました。

1年生女子
「みんなの雰囲気が良くて話しやすくて毎日楽しい」

1年生男子
「女子が元気です」
Q.男子は?
「男子は落ち着いています」

次から次に生徒たちが駆け込むのは「学食」です。男子校時代を過ごしてきた3年生は、4月からの学校の様子をどのように感じているのでしょうか?

3年生男子
「女の子も増えて、上級生も明るい雰囲気になった」
Q.学食の雰囲気はいかがですか?
「女子があまり食べに来ないから、あまり変わらないです」

確かに学食を見渡すと…男子生徒ばかり!そこで、1年生の教室をのぞいてみると、弁当を囲む女子生徒の姿が。

Q.学食に行きました?
女子生徒
「いや、行ってないです。先輩たちが使ってるから…」

女子生徒1期生の彼女たち。男子校の雰囲気が残る学食へは、なかなか一歩を踏み出せないようです。

このように、すぐには変化しないものがある一方で、男女共学で大きな変化があったものも。

部活動です。

創部126年目の硬式野球部に、初めて女子マネージャーが入部しました!

女子マネージャー1年生・折小野さくらさん
「小さい頃から野球が好きで、鹿商を選んだ理由もマネージャーになりたいっていうのもあって」

女子マネージャー1年生・丸本夏希さん
「やりがいのあるマネージャーの仕事をしてみたいなと思って」

早速、先輩マネージャーからレクチャーを受けます。運動部に欠かせないのが飲み物の準備です!

男子マネージャー
「選手は汚れた手で触っているから。こういうところはきれいに洗ってあげて」

新人マネージャーに丁寧に指導するのは3年生の冨ヶ原翼さん。選手として入部し、活動していましたが、2023年の12月に監督から打診を受けてからの数カ月間、マネージャーとして1人で選手たちを支えてきました。

そんな冨ヶ原さんだからこそ、今回の女子マネージャーの入部を誰よりも喜んでいました。

男子マネージャー 3年生・冨ヶ原翼さん
「自分は仕事が分担できるのが一番うれしい。まだ分からないこともあると思うが、丁寧にひとつひとつ教えていって分担して作業できればなと思う」

女子生徒の入部には、塗木哲哉監督も期待しています。

鹿児島商業高校・硬式野球部 塗木哲哉監督
「男性だけではなく、女性が入ることによって、今まで目が届かなかったり、気がつかなかったりする雑な部分が消えて、組織としては大きくなっていけるんじゃないかな」

64人の男子部員がいる硬式野球部。入部から2カ月が経ち、新人マネージャーたちの仕事ぶりもしっかり板についてきました。

ところでこの日は、マネージャー以外にも女子生徒の姿がー。

彼女たちの正体は「地域プロデュース部」。この3年間、活動がありませんでしたが、2024年度、8人の女子生徒が入部し再始動しました!

地元企業とのコラボ商品開発を行うのが目的の部活動で、鹿商の公式SNSで部活動を紹介したり、学校周辺の魅力を発掘したり、女子生徒ならではの新たな視点で鹿商を盛り上げています。

女子生徒たちの活躍は、部活動の垣根を超えて様々な場所に広がっていました。

そして7月6日。全国高校野球選手権かごしま大会の初日。選手たちはもちろん、マネージャーにとっても大きな晴れ舞台です。飲み物の準備をして、スタンドからもしっかり応援!

力強い声援を背に、鹿商ナインたちは2回戦進出を決めました。チームのキャプテンもサポートのチカラを感じているようです。

鹿児島商業高校・硬式野球部 坂口隼也キャプテン
「人数も1年生が増えて今まで以上の声援が聞こえて、次(2回戦)の神村(学園)戦でもしっかりサポートしてもらって、そのサポートを恩返しできるようにしていきたい」

女子生徒を迎え入れ、様々な変化が生まれている鹿児島商業高校。これからも男子生徒、女子生徒、それぞれの視点や個性を生かしながらよりよい関係を築いていくことでしょう。

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