ミントの苗。品種によって葉の形、香りが異なる(酒巻俊介撮影)

春はハーブ栽培の始めどき。ゴールデンウイーク前、農場はハーブの出荷に追われます。特に人気があるのはミントの苗。育てやすく、持ち味である爽快な風味は、これからの季節にぴったりです。その風味を活用して、暮らしをより心地良く、楽しみましょう。

ひとくくりにミントといっても種類がたくさんあり、交雑も盛ん。特に人気があるのは、スペアミント、ペパーミント、キューバミント、アップルミントといった品種です。

ペパーミントに含まれるメントールは、鎮静の働きがあることで知られています。また清涼感のある味や香りは、甘いお菓子や飲み物との相性もよく、アイスやチョコのフレーバーとしても人気です。

相性のいいレモンと合わせて

ミントは旺盛な繁殖力で知られています。育てやすい半面、ぐんぐん伸びて、地下茎で増えるので、育てている人は摘んだら、どんどん活用しましょう。

おすすめは、なんといってもドリンクです。

「30種類ほど販売しているハーブティーの中で、ペパーミントとスペアミントなどをブレンドしたミントティーが一番人気があります」と話すのは、千葉県にある観光農園「大多喜ハーブガーデン」の社長、羽山秀顕さん。ミントと砂糖を合わせたシロップをソーダで割り、レモンを浮かべた冷たいジュースも評判だといいます。家庭でもまねしてみたいアイデアです。

レモンとの相性はとてもよく、ハーブどうしでも、レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナなどとブレンドして飲むのは定番です。ほかにレモンと組み合わせた、すてきなドリンクもあります。

ミントレモンジュースの作り方を、アラブ料理研究家のチヒロ・ファラウラ先生に習いました。

イラスト・菅原彩加

「エジプト、シリアなどのアラブ諸国でとても人気のある飲み物です。暑い夏だけでなく、年中飲まれています」とファラウラ先生。スーパーには飲料メーカーの既製品も売られているそうです。

作り方はとても簡単。レモンもミントもたっぷりと使います。暑さで疲れた体に、ビタミンやミネラルをチャージする、天然のエナジードリンクみたいなかんじです。

おうちでカクテルはいかが

自宅でカクテルを楽しむなら、キューバミントを植えてみましょう。アメリカ人作家、アーネスト・ヘミングウェーが、キューバで小説を執筆中にこよなく愛したといわれているのが「モヒート」というカクテル。ラム酒にキューバミントとライム、砂糖を入れて炭酸水で割り、ミントとライムをつぶしながら頂くのが本場流です。

(ハーブコンシェルジュ 小早川愛)

こばやかわ・あい

日本薬科大招聘講師。ハーブ農場「ポタジェガーデン」の運営にも携わる。

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