円安の影響や暑さによる生育不足などが原因で価格が高騰しているのが国産の豚肉です。飲食店や精肉店からは悲鳴が上がっています。
近年まれにみる豚肉の高騰
サクサクの衣と肉厚でジューシーなとんかつが人気の店「とんえび」。
しかし、人気とんかつ店でも近年まれにみる豚肉の高騰に頭を悩ませています。
とんえび・清水建彦オーナー:
(これまで価格高騰は)ほとんどなかった。エビはあったが、豚肉に関しては安定していたので。飲食店にとってはきついかなと。原価的にもだいぶ上がってますし
歴史的な価格高騰となっている国産豚肉。
店によりますと、2023年と比べ1kgあたり420円値上がっていて、店は6月に価格を100円程度値上げする改定に踏み切りました。
とんえび・清水建彦オーナー:
いろいろな物が値上がりしたせいで、ずっと我慢してたんですけど、今年(2024年)に入って値上げをさせていただいていたんですね。その値上げをして、その結果が出る1カ月、2カ月先にはもう追いつかなくて、(豚肉の)値上げが激しくて
円安に加え猛暑により豚の成育に遅れが
高騰の理由の1つは意外なものでした。
日本食肉市場卸売協会・廣川治 専務理事:
豚は夏、暑いとエサを食べないのであまり太らなくなるので、例年夏は生産性が落ちます。今年(2024年)も暑いのでさらに生産性が落ちていると考えられる
円安の影響によるエサ代や電気代などの高騰に加え、記録的な猛暑の影響で豚の生育に遅れが出ていると言います。
創業100年を超える磐田市の精肉店「肉のむらかみ」。
国産の豚肉の仕入れ価格は2023年と比べ1.3倍から1.5倍ほど高騰しているということです。
肉のむらかみ・村上琢也 社長:
今まで27年くらいやってますけれども、ここまでの豚の値段になるというのは初めてなんですよ
店では業者との年間契約を結んでいて販売価格を据え置いていますが、今後は値上げせざるを得なくなると想定しています。
肉のむらかみ・村上琢也 社長:
運用するためのコスト、電気代とかも上がっていく、あと(豚の)数が少なくなる、そういった要因もあって値上げしなければならないというタイミングが年内に来ると思います
また、精肉店だけではなく畜産業者への負担が大きくなっていることも心配しています。
肉のむらかみ・村上琢也 社長:
円安というのが一番大きいと思うが、それに伴って人件費が増えてきた。あとは畜産業者がこれだけコストがかかるしリスクが高いのならやめようって廃業してしまう
さらに、国産豚肉の高騰は長期化するおそれがあると言います。
日本食肉市場卸売協会・廣川治 専務理事:
(猛暑が続くと)子豚がなかなか生まれにくいという話にもなっていく(豚肉の卸売価格は)高い水準が続くのは間違いないと思います
食卓に欠かせない食材と言える豚肉の高騰は家計への負担も大きいため、出来るだけ早く沈静化することが期待されます。
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