海の平和などを祈る「四海安穏祈願法要」が18日、奈良市の海龍王寺で営まれた。今年は能登半島地震で亡くなった人の冥福(めいふく)と被災地の復興なども祈願した。
奈良時代に遣唐使船で中国・唐に渡った僧、玄昉(げんぼう)は、嵐の中海龍王経を唱えて無事に帰国した後、同寺の初代住職となって遣唐使の安全を祈るようになったという。その後法要は途絶えたが、海の安穏や航海の安全などを祈願するため、平成16年に復興した。
この日は、本堂の仏前に宮城県・気仙沼港や北海道・網走海岸、鹿児島・種子島東海岸などから寄せられた海水が入った容器が供えられ、海龍王寺の石川重元住職ら僧侶が読経した。石川住職は「1300年前にも苦難を乗り越えた精神性を奈良から発信したい」と話した。
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