建物の老朽化などで2024年秋以降の閉鎖が予定されている長野県須坂市の複合施設「パルム」。閉鎖前に思い出をつくってもらおうと、7月20日、テナントのラーメン店などが「流しつけ麺」のイベントを行いました。

そろいの衣装や法被で踊る人たち。20日、須坂市で行われた「須坂カッタカタまつり」です。

地区や職場、学校の仲間などでつくる36連・2000人以上が参加し、熱気に包まれていました。

参加した人:
「とても楽しいです」
「孫と一緒に楽しんで踊りたい」
「やっぱり面白いですね、お祭りは。ストレス発散して楽しいです」

今年の祭りでは、ある関連イベントが企画されました。

母親:
「きたきた、ここに入れて、食べてください」

筒を流れてきたのは、そうめんではなく中華麺。それを魚介が効いた特製のつけ汁につけて食べます。流しそうめんならぬ「流しつけ麺」です。

市内から:
「初めて食べましたけど、麺にコシがあり、味がさっぱりして、夏にはぴったり」

イベントが行われたのは、建物の老朽化などで2024年秋以降の閉鎖が予定されている「須坂ショッピングセンターパルム」の中。

テナントのラーメン店「ホームラン亭」などが、閉鎖前の思い出になればと企画しました。

ホームラン亭 店主・鈴木孝太郎さん:
「ショッピングセンターが最後だということで、最後にやらせていただきました。少しでもにぎやかになってよかった」

1969年に完成したパルムの建物。通路のある1階に商店が並び、2階、3階は住居部分に。ピーク時は40店舗以上が入り、須坂のにぎわいの中心でした。

しかし、次第に大型店の影響を受けるようになり、集客力のあったスーパーなどのテナントも相次いで撤退。

現在は、ホームラン亭のほか、喫茶店や衣料品店など10店舗ほどが営業していますが、シャッターを下ろしたままの区画が目立っています。

テナント料の減少で運営が厳しい上、消防設備の不備が見つかったこともあり、建物を管理する協同組合は2024年秋以降に「パルム」を閉鎖する方針です。

豚骨と鶏ガラの濃厚なスープのラーメンが人気の「ホームラン亭」。パルム閉鎖後も店を続けたいとしていますが、移転先は決まっていません。

ホームラン亭 店主・鈴木孝太郎さん:
「しょうがないというのは感じていたし、いつかは出なくてはいけないと思いながらやっていたので。須坂市内で、今と変わらないこのあたりでやれればいいなと」

迎えたイベント当日。鈴木さんは、店で準備に追われていました。麺もつけ汁もイベント用にアレンジしたものです。60食分が用意され、訪れた人たちが次々に味わっていました。


子ども:
「おいしいです。(うまくつかめた?)うん」

母親:
「初めてですけど、子どもたちが楽しそうにやっているので、私も楽しかったです。子どもの頃からいろいろ買い物していたので、(閉鎖は)ちょっと寂しい」

市内から:
「子どもの時はにぎわっていたので楽しませてもらっていたのですが、寂しくなります。いい記念になり、思い出に残ると思います」

普段はひっそりとしているパルムに、久しぶりににぎやかな声が響きました。

ホームラン亭店主・鈴木孝太郎さん:
「最後なので、イベントができてよかったと思います。(店も)も9月までできたらいいなと思いますが、皆さんに来ていただいて食べていただきたい」

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