夏休みに入って広島県では、海と川で中学生が溺れる事故が相次いでいる。水の事故を防ぐポイントを専門家に聞いた。

川の流れは場所によって突然速くなる

7月26日午後、広島市安佐北区の川で、男子中学生が溺れ、深さ3メートルの川底で、意識不明の状態で発見された。当時、川では中学生3人が川遊びをしていた。

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消防士で救命講習などの活動を行う西川久之さんは、今回事故があった川には、見た目にはわからない危険があるという。向井記者が現場で聞いた。

消防士 ボーイスカウト広島県連盟・西川久之さん:
流れが穏やかに見えるが、本流の流れが速いところがあるのが、わかりづらい。安心感があるところがこわい。水面より下は速いところがあり、それが危険な場所。実際に入ってみないと、わからない。

また、対岸まで泳いで行けそうに見えても、流れにのまれる危険があるという。

消防士 ボーイスカウト広島県連盟・西川久之さん:
対岸の岩まで近いように見え、泳ぎに覚えがある人は辿りつけると思うが、流れが速いので、流れにのまれてしまう。深くなって足をつこうと思っても2~3m深いところもある

実際に川に入ると流れでだけではない危険が潜んでいた。
消防士 ボーイスカウト広島県連盟・西川久之さん:
この辺から一気に深くなる。私の場合、腰が浸かってしまいました
向井記者:
今の一歩で?
西川さん:
一歩戻ると浅い

西川さんが指摘したのは急な深さの変化。浅瀬の場所からわずか一歩で急に深くなる。

溺れそうになったら空を見る

そして、溺れそうになったら、慌てずに空を見るようにすると体が浮くという。
消防士 ボーイスカウト広島県連盟・西川久之さん:
息が吸えるときに吸って、力を抜いて空を見ることを思い出してもらいたい。慌てずに空を見上げて、脱力して空を見上げれば体が浮くので

一方、7月21日には広島県坂町にある海水浴場で、溺れそうになっている妹を助けようとした、女子中学生が溺れて死亡する事故があった。

川だけでなく海での事故にも、専門家は注意を呼び掛ける。
水難学会・斎藤秀俊理事:
7~8月は水難事故が多い時期だが、まず最初にひざ下までの水深を守る。次に、急に飛び込まない。家族で出かけるときには子供を見守るではなくて、水の中に入って一緒に遊ぶことをいうことを心がけてほしい

水の事故を防ぐためには、このような正しい知識を身につけておく必要がある。以下に注意すべきポイントをまとめた。

<水の事故を防ぐポイント>
・見た目の流れに油断しない→流れが速いところがある
・川は突然深くなるところがあるので慎重に
・溺れそうになったら息を吸って空を見上げる
・「ひざ下」の深さの場所で遊ぶ
・子どもを見守るのではなく、子どもと一緒に遊ぶ

(テレビ新広島)

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