県東部で大量発生しているクラゲ。深刻な漁業被害を抑えようと、福山市は駆除するための装置を製作し動き出しました。

「いくよ!」(ドバッ…)

網の中から一気に飛び出た「クラゲ」。
ここ数年、県東部の海域で大量発生し漁師たちの頭を悩ませています。

(去年6月取材)
「よしゃいれるか!」

底引き網漁師、村上正さん。
この日は1投目の網にタイやハモ、エビが入り平穏な漁になるかと思いきや…。

【底引き網漁師・村上正さん】
「入っとるよ!クラゲ! 今年(2023年)は1番多い、去年と比べると倍の量」

あれから1年…。
再び漁に同行すると…。

【鈴木記者】
「ああ~…これはかなり入っていますね」

状況は変わらず…。
水中で大量発生する”強敵”と戦い続けていました。

【村上さんの妻】
「魚がどうしても死んでしまう。(クラゲが)たくさん入ったら活きが悪くなる」
Q:とれないだけじゃない
「鮮度がもう全然ダメです」

こうした現状に、本格的な駆除に向けて動き出した「福山市」。
県と連携して他県の例を参考にした「クラゲカッター」を製作し駆除の実証実験に取り組んでいます。

こうしてクラゲを装置に通し下部についたカッターで切断することでコンパクトに駆除できるのが特徴です。

【村上さん】
Q:救世主になっている
「これで切ったら気分的にちょっと減ってきたのかなと」

一方、クラゲの生態に詳しい専門家は…。

【広島大学・上真一名誉教授】
「なぜ増えたか正直なところわからない。いくつか原因があって例えば温暖化は顕著、とくに冬の水温があがったこと。魚が少なくなっている。魚とクラゲはエサを巡って競合する。魚が少なくなるということは、エサが余っていてクラゲが増えやすい」

そのうえで解決に向けてはクラゲの幼体がいるすみかを見つけいかに駆除できるかが大きな課題になってくるということです。

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