大河ドラマ「光る君へ」にも登場する清少納言は、貴族が多く住むエリアにある家で兄を殺害された。「つわもの」の藤原保昌の従者である兄は自分が犯した殺人の報復を受けたのだった。清少納言が『枕草子』で描いた王朝絵巻の世界は、暴力的な武士のコミュニティーと背中合わせだったそうだ。
源氏と平氏が武士の代表格になっていく経緯と理由を歴史学者が解明する。平将門の乱を鎮圧した藤原秀郷の子孫はどのようにして衰微したか。平安前期には地方社会で無力だった受領(ずりょう=国守)がなぜ中期に強大な権力者となったか。王朝文学に描かれない歴史が面白い。(ちくま新書・1320円)
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