長島愛生園の歴史館(旧事務本館)

岡山県瀬戸内市にある国立ハンセン病療養所「長島愛生園」が入所者から得た解剖への同意記録の一部を調べた結果、27%に死後の日付が記入されていたことが22日、園への取材で分かった。医師によって文書が偽造されていた可能性がある。

山本典良園長は「危篤直前の患者本人から承諾を得ることは『死の宣告』と受け取られ非人道的で人権侵害とも解釈できる」とし、「当時の医師は犯罪であることを認識した上で患者の心情に寄り添い、黙って同意を得たことにしていたのかもしれない」と分析する。

同園では令和3年、開園翌年の昭和6年から31年に亡くなった1834人の解剖記録が残されていたことが判明。患者の同意書である「剖検願」があり実際に解剖された7、8年と20~23年の計140件をまとめると、死後の日付は38件、死亡当日は29件、亡くなる前日から7日前は59件、8日以前は14件だった。園は今後も解剖記録を保存し、活用していく方針。

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