除幕式のあと記念撮影に応じる玉岡かおるさん(写真左)と西田光衛名誉住職=高砂市高砂町

作家、玉岡かおるさんの文学碑が建てられ、浄土宗の名刹「十輪寺」(高砂市)で20日、ファンら約百三十人が参列して除幕式が行われた。玉岡さんは「立派な碑をつくっていただき、感謝しています。この思いを肝に銘じて、良い作品を書き続け、世に出したい」と話した。

玉岡さんは加古川市在住。江戸時代後期に漁師から身を起こし海運業に革命をもたらした高砂出身の海商、工楽(くらく)松右衛門を描いた長編「帆神(ほしん) 北前船を馳せた男・工楽松右衛門」で第41回新田次郎文学賞、第16回舟橋聖一文学賞を受賞。この作品の中で、十輪寺が登場することから、以前から親交のある名誉住職、西田光衛さんの発案で碑の建立が進められてきた。

文学碑は幅2メートル、高さ1・5メートルで岡山県産のピンク色の御影石でつくられている。碑には「掃き浄められ静謐に覆われた境内にたたずむと、波の音や松籟(しょうらい)の音が、時間の流れまでかき消して(略)」などと、主人公、松右衛門が故郷、高砂に戻った場面を抜粋した文字が刻まれている。

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