佐渡島の金山が世界文化遺産に登録されて8月27日で1カ月。島内は観光客でにぎわう一方、構成資産の一つ、西三川地区では閑散とした様子も見られている。世界遺産登録から1カ月で見えた今後の課題とは…。

世界遺産登録も…西三川砂金山周辺は静か?

7月27日に世界文化遺産に登録された「佐渡島の金山」。悲願達成に地元は沸き、観光客の増加などに期待が寄せられていた。

佐渡島の金山
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こうした中、にぎわいを見せていたのは西三川地区にある砂金取りの体験施設だ。

佐渡西三川ゴールドパーク

佐渡西三川ゴールドパークの常木拓也営業主任は「8月に入ってからは、例年よりも1.5倍くらいは客が増えているというイメージ」と話す。

一方、施設の周りに目を向けると、人影はほとんどなかった。

西三川砂金山の周辺

地元の人も「段々静かになってきた。あんまり来ないのも寂しい」と話す。

相川鶴子金銀山がにぎわう一方…「案内ないと全くわからない」

世界遺産「佐渡島の金山」を構成しているのは、島の南西部にある西三川砂金山と北西部にある相川鶴子金銀山の2つの資産。

相川鶴子金銀山には「佐渡島の金山」のシンボルとも言える「道遊の割戸」があるほか、坑道の跡なども整備され、世界遺産の登録後、多くの人が訪れていた。

相川鶴子金銀山

一方、島内最古の砂金山である西三川砂金山は、砂金取りが体験できるものの、周辺には修理中の施設も。史跡もわかりづらく、整備が進んでいるとは言えないのが現状だ。

西三川砂金山は案内がないとわかりづらい?

地元の人も「ここは案内・ガイドがないと来ても全くわからない。昔の山を崩した跡とか、そういったものも全部見えればいいんだけど」と話す。

ガイドツアー実施も利用者少なく…「知名度上げて」

こうした中、佐渡市は、8月末まで西三川砂金山の周辺をジャンボタクシーで回るガイドツアーを実施しているが、利用者は少なく、この日は午後からようやく2人が参加した。

参加した人は「とてもわかりやすい説明だったかなとは思っている。きょう飛び込みでお願いしたが、もっと早くからわかっていれば、もっと早く参加できたり、色々見られたりしたかなというのは正直思っている」と話した。

ガイドツアー

運行する側も今後の課題を感じている。

ツアーの運転手は「もう少し西三川地区の知名度を上げてもらって、お客さんに来てもらったほうがよかったのかなと。ちょっと寂しい気持ちはする」と語る。

佐渡市は今後、「今住んでいる人の生活や環境の保全を第一に考えている」とし、新たに何かを整備するなどはせず、魅力の発信やツアー内容の充実に努める方針だ。

まだ知られていない魅力をどう伝えていくのか。にぎわいを一過性としないためにも、今後の対策が求められる。

(NST新潟総合テレビ)

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