足利市は3月、市にゆかりのある国重要文化財の刀剣「山姥切国広」を所有者から3億円で購入した

栃木県足利市は2025年2月8日〜3月23日に市立美術館で、いずれも国重要文化財の刀剣「本作長義」と「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)」の特別展を開くと発表した。「本歌」と「写し」の関係とされる両刀剣が同時に展示されるのは1997年の東京国立博物館以来、28年ぶりとなる。

本作長義を所蔵する徳川美術館(名古屋市)と、山姥切国広を所有する足利市が刀剣を相互貸与し、両美術館で展示会を開く。市立美術館での特別展の入場料は一般1500円、大学生・高校生1000円、中学生以下無料。徳川美術館での同時展示は6月14日〜7月27日に実施する。

山姥切国広は1590年に足利城主の長尾顕長が刀鍛冶の堀川国広に命じ、本作長義を参考にして作らせたとされる。刀剣を擬人化し、ブームの火付け役となったオンラインゲーム「刀剣乱舞」に登場したことで注目を集めた。ゲーム開始時に選択できる刀剣の一振りで、登場する刀剣の中では本作長義とともに人気が高いという。

「山姥切国広」と「本作長義」の同時展示会の合同発表会で記念撮影する足利市の早川尚秀市長(左から2人目)、公益財団法人徳川黎明会の徳川義崇会長(右から2人目)ら=同市提供

足利市は17年と22年に山姥切国広を当時の所有者から借り受けて展示会を開いたところ全国から多くのファンが集まり、経済効果は合計約9億円にのぼった。注目度や文化・歴史的価値の高さをふまえ、所有者からの申し出もあって市が取得を決断。クラウドファンディングなどで資金を募り、24年3月に3億円で買収した。同刀剣の展示は市の取得後では初となる。

今回の特別展では過去2回の展示会同様に「刀剣乱舞」とのコラボイベントも予定している。詳細は未定だが、前回のコラボではキャラクターのパネル展示やクリアファイルなど限定グッズの販売、キャラクター声優による市内観光スポットの音声ガイドなどを実施している。

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