最高時速285キロで走る東海道新幹線に、ゾンビが続々と入り込んでくる――。「のぞみ」の車両をお化け屋敷にする「ゾンビ新幹線」が10月、東京駅から出発する。
20人超のゾンビが車内に
舞台となるのは、10月19日午後5時18分に東京駅を出発する新大阪行き「のぞみ435号」の16号車。東京―新大阪間の約2時間20分、総勢20人超のゾンビが乗客を恐怖の世界にいざなう。
遊園地などでお化け屋敷を手がけてきたホラーイベント制作会社「怖がらせ隊」(東京都渋谷区)が企画した。走行中の新幹線でお化け屋敷を催すのは世界初の取り組みだという。
東京駅を出発すると、乗務員の格好をした血だらけのゾンビが続々と襲来。通路をさまよいながら歩き、乗客に迫る。ゾンビは入れ替わり、ダンスやマジック、楽器演奏など合計で10種類以上のパフォーマンスを繰り広げる。
乗客は60人まで。通常席(36席)が運賃込みで大人1人、3万3000円。ゾンビをより近くで見られる通路側で、別室で記念写真も撮れるプレミアム席(24席)は同5万円。いずれも10月4日までの事前予約が必要。
自らもゾンビとして出演予定という怖がらせ隊の今出彩賀社長は「逃げ場のない車内で2時間余り、いろんなゾンビが襲ってくる。新たなホラー体験を求めている人にぜひ参加してほしい」と呼びかけている。
過去には新幹線プロレスも
今回の企画は、「のぞみ」を1両単位で貸し切りにしてイベントを実施できるJR東海の「貸切車両パッケージ」を活用する。新型コロナウイルス禍でビジネス客の利用が低迷する中で考案されたサービスで、2022年12月から始まった。
通路にレッドカーペットを敷くことや、乗務員の制服の貸与も可能で、企業による新商品の発表会などで、126件(8月末時点)の利用があった。
23年9月には車内でレスラーが戦う史上初の「新幹線プロレス」が行われ、英BBCなど海外ニュースにも取り上げられた。【岡田英】
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