武蔵野大創立100周年記念講演会で、学び続けることの大切さを伝える池上彰さん=江東区で

 武蔵野大(東京都江東区)は21日、今年で創立100周年を迎えたことを記念して、ジャーナリストの池上彰さんを招いた講演会を開いた。池上さんは「学び続ける力」をテーマに、学生らに教育や学ぶことの意義を伝えた。

 江東区の東京ビッグサイトであり、大学生や系列の中学、高校の生徒ら約600人が参加。約1時間半にわたる講演に聴き入った。

 池上さんは取材で訪れた世界各国を振り返り、途上国の現状から感じた教育の意義を説いた。ネパールでは、貧しさから教育を受けられず、18歳でやっと読み書きができるようになった女性に取材し、「生まれて初めて自分の名前を書けた喜びを話してくれた。これこそが教育の大切さだ」と訴えた。会場に向けては「自分の名前を書けた喜びをもう覚えていないだろう。日本はいかに恵まれているかを分かってほしい」と語りかけた。

 池上さんは自身の半生にも触れながら、「『好奇心の塊』となっていろんなことを知る中で、自分がものを知らないことに気づいた。まだ新しいことを知る喜びを感じている」と話し、最後には「学び始めるのに遅いことはない。学び続けて、みなさんの力でこの学園がさらに100年、200年と続くようにしてほしい」と激励した。【田中綾乃】

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