誰もが一人で老後を過ごす可能性はある。

配偶者や子供に先立たれてしまったり、親族や近所との関係が希薄だったりするかもしれない。こうした老後に頼れる人がいない人たちを“老後ひとり難民”と沢村香苗さんは呼んでいる。

おひとりさまの高齢者や身元保証サービスについて調査を行う、日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト・沢村さんの著書『老後ひとり難民』(幻冬舎新書)から、介護保険があっても“老後ひとり難民”が直面する厳しい現実について一部抜粋・再編集して紹介する。

利用開始の的確な判断が下せるか?

高齢になり介護が必要になった際、真っ先に介護保険サービスの利用を検討すべきであることは間違いありません。介護保険は、社会を支える重要な役割を担っています。

しかし「介護保険があるから大丈夫」といえるのかといえば、残念ながらそうではありません。

まず、介護保険サービスを使うには、申請や契約が必要となります。

介護保険サービスを使うには「判断」が必要(画像:イメージ)
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そのためには、まず本人や家族などが「介護保険サービスが必要だ」と判断しなければなりません。

当たり前のことだと思われるかもしれませんが、自分や身内の心身の衰えが少しずつ進んでいくなか、「今こそ介護保険サービスを利用すべきだ」という判断を的確なタイミングで下せるとは限りません。

「介護?人の世話になるなんてとんでもない」といった考えを持っている方もいます。

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