10月は家計に厳しい秋となりそうです。

食品・飲料を中心に約3000品目が値上げされ、今年最多の値上げラッシュとなる見通しです。

大手飲料メーカー5社は、ペットボトル飲料などを値上げします。

また明治はチョコレート菓子、亀田製菓は「ハッピーターン」などの価格を引き上げます。

いずれも原材料の高騰などが要因で、帝国データバンクによりますと10月の食品や飲料の値上げは2911品目で今年最多です。

そして歴史的な値上げといえそうなのが郵便料金です。

通常はがきは1枚63円から85円に、50グラム以下の定形郵便物は110円、レターパックプラスは520円から600円になります。

郵便料金の値上げは、消費税の引き上げを除くと1994年以来、30年ぶりです。

その背景はー

◆福岡中央郵便局 山本敬さん
「メールやSNSの普及と郵便を利用した通信が見直されて、2001年度をピークに郵便取り扱い部数が大きく減少しています。その傾向はこれからも続くであろうと見込まれています」

ピークの2001年度に262億通あった郵便物は、昨年度には136億通と約半分にまで減少しています。

デジタル化が進み郵便物が減少するなか人件費や燃料費の上昇などもあり、今回の値上げに踏み切ったといいます。

これから年賀状のシーズンを迎える中、街の人はー。

◆街の人
「ちょっと高すぎだなって。5円くらいだったらいいけど、メールのやりとりでいいかな」

◆街の人
「大変ですね、枚数が多いと。(年賀状は)ちょっとしぼるかな」

◆街の人
「この時代だったら仕方ないでしょう。郵便の便数も少なくなってるし」

福岡市中央区の印刷業者です。

10月中旬から年賀状印刷の受注を始めましたが、今年は不安を募らせています。

◆西日本ビジネス印刷 園田慶一会長
「これだけ大きな値上がりは初めての経験。(例年)金額にして約1000万円分(年賀状を)購入してまして、枚数にして12~13万枚印刷してますので今年はそれがどこまでいくのか」

この会社では印刷代は据え置くものの、郵便料金の値上げで年賀状は1枚当たり100円以上になってしまうといいます。

◆西日本ビジネス印刷 園田慶一会長
「業者としても痛手なんですけど、一番気になるのはお客さんがこの値上げによって『年賀状をやめてしまいましょう』というのが一番怖い。お年寄りの方が今まで子供、孫とコミュニケーションツールとして使っていたものが、いきなり値段が上がったとなるとやめるかやめないか、そこで判断がけっこう困ることになると思う」

日本のお正月の風物詩、年賀状。

今回の値上げは、その風物詩のあり方にも変化をもたらすかもしれません。

■火災保険料や光熱費も値上げ

そのほか10月から変わることの中で私たちの暮らしに身近なものをまとめました。

火災保険の保険料は全国平均で10%程度値上げされます。

近年は自然災害が相次いでいて、保険金の支払いが急増していることが値上げの要因だということです。

光熱費も上がります。

九州電力では10月使用分の電気料金が前の月と比べて375円上がり、西部ガスでも10月使用分のガス料金が前の月と比べ185円上がる見込みです。

値上げが相次ぐ一方で、10月からは児童手当の対象が拡充されます。

具体的には「所得制限を撤廃」「中学生以下が対象だったのが高校生の年代も支給の対象に」「第3子以降は月3万円に増額」となります。

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