スカイマークとコラボする付録の飛行機=同社提供
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 小学館が発刊する子供向け学習雑誌「幼稚園」で、企業とコラボレーションした付録が人気だ。NTT東日本とコラボした公衆電話が付録の4・5月号は、2月末の発売から1カ月を待たずに完売。8・9月号はスカイマークとコラボする「超リアル飛行機」が付録だ。人気の理由とは。

 6月28日ごろ発売予定の8・9月号は、スカイマークの旅客機「JA73NP」と、那覇空港で使われている荷物運搬車とコンテナをモデルにした組み立て式の紙付録だ。旅客機は全長33センチで、パイロットや整備士の人形がついている。機体のボタンを押すと、機内アナウンスやエンジン音が流れ、運搬車で運んだ荷物をコンテナに収納するなど「ごっこ遊び」ができるという。

 小学館の担当者は連動記事の「空港で働く人たち」も読むことで、「飛行機を安全に運航するために多くの職種の人が働いていることを、社会科見学のように知ってほしい」と思いを込める。スカイマーク広報担当者は「航空関係の職業が将来の夢の一つになるように」との期待も込める。

那覇空港を走る運搬車をモデルにした付録のイメージ=スカイマーク提供、©Pokémon ©Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
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 「幼稚園」は1932年創刊。当初から付録はあったが、企業コラボは2018年に始まり、毎回人気だという。雑誌の対象年齢である4~6歳は身の回りの社会に興味を持つ年ごろで、本物志向が強いといい、担当者は「本物に近いデザインを追求するには、企業に頼むしかない」と説明する。付録の組み立ては難しく、親子で一緒に取り組むことが前提となるため、親にも「ささる」ことが重要という。

 東芝テックとコラボしたセルフレジのほか、最近ではNTT東とコラボした本物そっくりの組み立て式の公衆電話の紙付録が話題になった。公衆電話の付録は20年に続き2回目で、紙製のテレホンカードや10円玉を入れることができ、「SOS」のダイヤル案内も記載。携帯電話の普及で、街中の公衆電話は少なくなったが、災害時のインフラとして設置されており、「小学校に上がると一人で外を歩くこともある。万一に備えて公衆電話の使い方を知り、近所に設置されている場所を親子で確認してほしかった」(小学館の担当者)という。

 「幼稚園」は隔月販売。8・9月号は税込み1290円。【古屋敷尚子】

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