ダウン症への理解と支援を進めるチャリティーイベントがあります。
1995年にアメリカで始まり今年30回目を迎えたこのイベントに広島に住む家族が参加しました。
船田このか20歳。
「お父さん」
私の娘です。
「このか」が生まれダウン症だと分かった時、何も知らなかった私は不安で押しつぶされそうでした。
そんな思いとは裏腹に「このか」は、ゆっくりゆっくり成長していきます。
いつしか不安は消え、共に生きる喜びへと変わっていきました。
ただ、一緒に過ごす日々の中で、社会との壁を感じることもあります。
それは、ダウン症の子供を育てる保護者に共通する思いです。
この日、開催された講演会で。
【保護者】
「障がいを持っているというのが分かるじゃないですか、見た目で。一人でこれから大人になって外出するようになった時にどんな障がいであるとか、人の目をどんなふうに感じるかとかそこが不安になります」
【日本相談支援専門員協会・金丸博一副代表理事】
「(アメリカや欧米に比べ)日本は障害がある、それは大変だと思う人が多いと思います。見た目でかわいそうな人と思う人もまだまだいっぱいいると思いますよ」
《こねこね工房第三もみじ作業所》
特別支援学校を卒業した「このか」は、週に5日、パンを作る仕事をしています。
20年前には、想像できなかった姿です。
今年、成人式にも出席。
この時、撮った写真が全米ダウン症協会のイベントに採用されました。
《アメリカ・ニューヨーク》
【妹・そよ夏】
Q:きょうの服装はそよ夏が考えた?
「はい」
Q:コンセプトは?
「ザ・たっち(双子)です」
【このか】
Q:今から始まるけど、どんな気持ち?
「ワクワクした感じです」
Q:楽しみ?
「はい」
《タイムズスクエア》~ビデオプレゼンテーション~
世界から応募のあった写真3000枚の中から選ばれた500枚がモニターに映し出される
【このか】「映った」
【全米ダウン症協会 カンディ・ピカード会長】
「ニューヨークの中心で家族が認められ紹介される。これほど大きな舞台はありません。訪れる人がダウン症について知るきっかけにもなります」
イベントはこれだけではありません。
《セントラルパーク》~バディウォーク~
ダウン症の人たちと一緒に歩くチャリティーイベントに約2500人が参加
【61歳の兄と参加した家族】
「ロンドンから来ました。兄の写真がタイムズスクエアに映るので来ました」
「エヴァは素晴らしい若い女性。私の後ろにいるティアラを着けた子です」
【エヴァちゃんの親族がチームとして参加】
「私たち家族は彼女の存在から多くのことを学びました。だから私たちはここにいます。彼女を支える仲間がいることを世界に伝えるために」
(イベントには企業などから4400万円を超える寄付が集まった)
「私の息子DJ Joeです。彼はプロのDJで自分の会社を持っています。バディウォークに参加するのは23回目です」
「私は28歳です」
「お名前は」
「このか」
「私の息子は日本語を勉強していて夢は日本に住むことなんです。あなたに会うのは運命だったんですね。ニューヨークへようこそ。彼女はタイムズスクエアに映ったの?」
【全米ダウン症協会 カンディ・ピカード会長】
「ダウン症の人にはまず「こんにちは」とあいさつしてみてください。恐れなくても大丈夫です。きっと素敵な物語と人に出会えますよ」
次は、どんな物語が待っているのでしょうか…。
「このか」に出会えて良かった。
《スタジオ》
あの成人式の写真は本当に良い笑顔で、それがニューヨークで紹介された時の笑顔も本当に素敵でした。
【コメンテーター:エディオン女子陸上部アドバイザー・木村文子さん】
「イベントに参加してる皆さんが心からの笑顔だなというのが印象的でした。お互いのことを知ったり、お互いのことを尊重する場所では、自然と笑顔が生まれるものなのかなと感じました」
ダウン症に限らずより多様性というものが求められる世の中にありながら、昨今少し不寛容な風潮もあるのかなと感じられますが、知ること、そして、共に笑うことが大切だと感じました。
このバディウォークのイベントは、広島でも2018年と2019年の過去2回開かれて本通りを中心に歩いたことがあるということです。
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