あっという間に今年も11月中旬。年末に向けて大掃除をする家庭が多く、増えるのが粗大ゴミ。
環境省によると、全国で年間ゴミは4034万4000トン、そのうち粗大ゴミは57万1000トンで、京セラドーム約1.5杯分にものぼるということなんです。
少しでもゴミを減らすべく、市民から集めた粗大ゴミをフリーマーケットアプリ「メルカリ」で販売するユニークな取り組みをしているのが、兵庫県・西宮市です。
■「粗大ゴミ」の中からまだ使えるものをメルカリへ
【秦令欧奈アナウンサー】「兵庫・西宮市にやってきました。スタッフから預かった粗大ゴミを持ってきましたので、こちらも実際にメルカリで売っていただこうと思います」
秦アナウンサーが向かったのは西宮市の西部総合処理センター。
【秦令欧奈アナウンサー】「西宮市がメルカリで粗大ゴミを販売しているというお話を聞いたのですが、その仕組みを教えてください」
【西宮市環境局環境事業部 幸賀博之さん】「西宮市では、市民のご家庭から収集した粗大ゴミの中から、まだ使えるものをメルカリショップスで販売しています」
【秦令欧奈アナウンサー】「これとか今日持ってきたんですけど…」
【西宮市環境局環境事業部 幸賀博之さん】「ちなみに西宮市民の方?」
【秦令欧奈アナウンサー】「ではない…」
【西宮市環境局環境事業部 幸賀博之さん】「申し訳ないんですけど、西宮市民の方のみになっておりますし、お持ち込みではなくて、収集したものを販売しておりますので申し訳ございません」
持ち込みはダメ、西宮市民以外の粗大ゴミもダメだということです。
■ゴミ処理に年間約59億
西宮市がメルカリに出品しているのはあくまで市民から集めた粗大ゴミのみ。
その一方で、購入は誰でもできますが、直接、引き取りに来ることが条件です。
早速、出品中のものを見せてもらいました。
【秦令欧奈アナウンサー】「多岐に渡りますね。机、釣り竿、ゴルフセットに、マンドリン。子供用の自転車、脚立。どのぐらい実績はあるのですか?」
【西宮市環境局環境事業部 幸賀博之さん】「今まで2年間で60点、販売実績としては約8万5000円程度の売り上げとなっております」
2年間で8万5000円は、かなり少ないように思えますが…。
【西宮市環境局環境事業部 幸賀博之さん】「お金が目的ではございません。ゴミの減量が目的です。捨てるという選択肢以外に、リユースするということを知っていただくきっかけになればと思って始めました」
【秦令欧奈アナウンサー】「ゴミ処理ってどのぐらいお金がかかってるんですか?」
【西宮市環境局環境事業部 幸賀博之さん】「令和5年度の数字になりますが、1トンあたり約4万3000円になりまして、総額では約59億になります」
なんと西宮市だけで年間およそ59億円というゴミ処理費用がかかっているのです。
■粗大ゴミを無料で持ち帰ることができる取り組みも
この費用をなんとかしようと、西部総合処理センター内にはこんな施設もできています。
【秦令欧奈アナウンサー】「家具屋さんみたいですね」
【西宮市環境局環境施設部 徳岡好信さん】「大体1日50点ほど展示しております。市民の方が粗大ゴミとして持ち込まれた中でも、まだ使えそうだなというものを無料で持ち帰れる施設になります。月にお1人1点ですが、ご家族4人おられましたら4個まで持ち帰れると」
【秦令欧奈アナウンサー】「なるほど。そういう作戦もありということで。私、気になるのがこちらのガラスの机。結構高く売られてるやつですよね」
【西宮市環境局環境施設部 徳岡好信さん】「無料です」
【秦令欧奈アナウンサー】「ちなみにこちら持って帰れるのは西宮市民の方だけですか?」
【西宮市環境局環境施設部 徳岡好信さん】「市内市外関係なくいけます」
【秦令欧奈アナウンサー】「全国どこから来ても持って帰っていいんですね。僕、一人暮らし始めたてなんですけど、めちゃくちゃ後悔しています。先にここ来ればよかった。花瓶とかツボとか高そうですよ。これが無料なんだ」
■客からは「おしゃれな家具が揃う」と好評
実際にリサイクルプラザを利用している人は…
【利用者】「何があるかなって楽しんできます。これもう10年近くなると思いますけども」
【利用者】「月に1回来てますからね。カウンターテーブルとかなかなかおしゃれな家具が揃う」
【秦令欧奈アナウンサー】「年間でどのぐらいの数が引き取られているんですか?」
【西宮市環境局環境施設部 徳岡好信さん】「大体6500件ぐらい、31トンぐらいですね」
【秦令欧奈アナウンサー】「単純に年間31トン分ゴミがなくなった」
【西宮市環境局環境施設部 徳岡好信さん】「ゴミの減量につながってるということです。ゴミ処理にかかる費用もその分削減できているということにつながっています」
【秦令欧奈アナウンサー】「だからお金を取っていなくても、持って帰っていただけるだけで」
【西宮市環境局環境施設部 徳岡好信さん】「こちらとしてもありがたい」
【秦令欧奈アナウンサー】「ウィンウィンですね。ゴミがなくなる」
■粗大ゴミを出す現場に潜入!
実際に、市民が粗大ゴミを出す現場に潜入しました。
【秦令欧奈アナウンサー】「今日は何を持ってこられたんですか?」
【市民】「今日は電子レンジとか扇風機とか」
【秦令欧奈アナウンサー】「まだ使えそうなものを無料で、他の市民の方に渡す活動があるんですけども」
【市民】「無料?無料で。それはいいことじゃないですかね。リサイクルっていうかあのSDGsっていうんですかね」
【秦令欧奈アナウンサー】「今日はどういったものを持ってこられたんですか?」
【市民】「ゴルフバッグとか、ゴルフクラブ、それからストーブ、使い古したミシン。(Qもう使えないもの?)いや使えます。ぼちぼち終活しながら家の中のものを片付けていってるんです」
西宮市の活動はSDGs17の目標のうち、「12番のつくる責任、つかう責任」につながっています。
ゴミ処理にかかる年間59億円をの「おっカネーマネー」。少しでも削減していきたいですね。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年11月15日放送)
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