育児に積極的に関わる男性、いわゆる「イクメン」を増やそうと、「警察官」を対象にした研修会が長崎市で行われた。実際にママがやってほしい育児や家事とパパがやっていることにはギャップもあり、「どれだけ思いを伝え合えるか」が大切だ。

正解がない「育児」に「追究」は通用しない!

会議室に集まった男性たちの職業は、地域の安全を守る「警察官」だ。長崎県警本部で「育メンズ研修会」が開かれた。

イクメン警察官が「育児」を学んだ
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不規則な警察の仕事と両立して育児に関わる男性職員を増やそうと企画され、子育て中や配偶者の出産が近い男性警察官と警察職員約120人が参加した。

講師からは、子供の歯の磨き方など実践的な指導のほか、「新米パパ」に向けたアドバイスも。

明治安田ライフプランセンター 高山秀明さん:
警察官は普段の仕事だと何か問題があったら「誰がいけなかったのか」「何がいけなかったのか」を追究しないと前に進まないので、どうしても思考回路がそうなっている。ただ、育児の局面では、そのままの考えを持ち込むのは危険だ。

仕事柄、ついつい「追究」の思考に走りがちな警察官パパたち。育児には普段の思考は通用しないことを学んだ。参加者からは「『手伝うという意識ではなく共に』というところで、自分からできる限りのことをしていければと思う」「休日は趣味の魚釣りばかりしていて、あまり育児に協力できなかったので、今からでも間に合うと思うので頑張ってみようと思った」と前向きな感想が聞かれた。

ママの愛情曲線はパパの育児にかかっている?!

講師は「ママの愛情曲線はパパが一緒に育児をするか否かで明暗が分かれる」という現実を突きつけた。

講師は「パパが一緒に子育てを楽しめればママの愛情は回復する」と話す

出産直後には夫への愛情は底辺になると言われる。その愛情はその後も低迷をたどるか、回復するかのカギは「一緒に子育てを楽しめるか」にかかっているというのだ。

ママが嬉しかった言葉やうれしかったことは「いつもありがとう」「もっとゆっくりしていいよ」「大変だったね」「ママは寝かせてあげようね」。

NGワードは「疲れた」「まだ終わらないの」「面倒くさい」「休みくらいゆっくり寝かせて」「何だっけ?」。

子どもが一番うれしいことは、何よりパパとママが笑顔でいることだ。意識して「NGワード」を使わず、無意識に「うれしい言葉」をプレゼントできるようにすることが大切だと講師は話す。

夫婦で「何をすることが互いのためになるか」確認を

家事や育児の分担では、パパとママではギャップが垣間見える。ママがパパにやってほしい育児と家事は「夜泣き対応」と「ゴミ出し」。

一方、実際にパパがやっている育児と家事のトップは「お風呂に入れる」と「ゴミ出し」。ママが望む「夜泣き対応」はパパの行動の上位には入っていない。夫婦で「何をすることがお互いのためになるのか」を事前に確認することも大切と言える。

長崎県警では毎年、男性職員へのイクメン研修が実施され、2024年度の男性職員の育休取得率は93.1%と過去最高となった(2024年1月~9月末まで)。今後は仕事の引き継ぎ方や部署異動のあり方など、育休を取得しやすい環境づくりをさらに模索したいとしている。

(テレビ長崎)

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