主に性的な接触でうつる感染症「梅毒」の福岡県内の感染者数が今年、年間で過去2番目の多さとなっていて、県は感染予防を心がけるとともに気になる症状があれば医療機関に相談するよう呼びかけています。
梅毒の感染者数は全国的に増えていますが、県によりますと、今年の県内の感染者数は11月17日までに753人と、現在の方法で統計を取り始めてから最多だった去年の942人に次いで過去2番目の多さとなっています。
梅毒は梅毒トレポネーマという病原菌が原因で、主に性的な接触で感染します。
感染の初期には感染した部位にしこりができたり、股の付け根の部分のリンパ節が腫れたりします。
治療せずに3カ月以上放置すると、手のひらや足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。
さらに数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などに「ゴム腫」と呼ばれるゴムのような腫瘍ができることがあり、時には死亡に至ることもあるということです。
早めに抗菌薬で治療すれば完治しますが、症状がなくても感染していることがあり、放置すると脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
また妊娠している人が感染すると胎児にもうつり、死産や早産などが起こることがあるということです。
感染者が増えていることについて県は「明確な理由はわからないが、マッチングアプリの普及など出会いの場が増えて不特定多数と性交渉に至ることがあるというのも考えられるのでは」としています。
県は性的な接触の際にはコンドームを正しく使用して感染を予防してほしいと話しています。
また、県内の保健所などでは匿名で無料の検査を受けることもでき、気になる症状があれば早めに検査を受けたり医療機関に相談したりするよう呼びかけています。
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