写真はイメージ=ゲッティ

 和歌山県九度山町は、町外から通学している児童や生徒が大半を占める町立河根小学校と近くの河根中学校(いずれも九度山町河根)について、下校時に駅などへ送り届ける「通学支援タクシー」を早ければ15日から運行する。保護者らが迎えに来られない場合などを想定している。過去に開いた「九度山町子ども議会」で当時の河根中生徒が通学支援策について岡本章町長に“直談判”したことが支援のきっかけになったという。【藤原弘】

生徒が町長に“直談判”

 町教委によると、両校とも町外からも通学することができ、現在の児童、生徒計20人のうち、1人を除いて町外から通学している。保護者らによる送迎ができないために欠席するケースもあったという。

 こうした問題に対処してもらうため、2022年8月の子ども議会で河根中の生徒が「通学しやすくするため、スクールバスや町の公用車を出していただくのはどうでしょうか」と質問。岡本町長は「積極的に検討したい」と答弁した。その後、町教委などで検討し、利用者数が日によって変動することや、児童、生徒の安全確保などの観点から、タクシー利用に落ち着いたという。

 実際の運行は町内と橋本市のタクシー会社に依頼。南海九度山駅▽町ふるさとセンター▽JR高野口駅(橋本市)――の3カ所を降車場所とし、夕方に2回運行する。今年度の一般会計当初予算に関係予算200万円を計上していた。

 町教委によると、昨年度の在校生の保護者にアンケート調査をしたところ、10人が利用を希望したという。

 岡本町長は「子ども議会での子どもたちの意見はすごく参考になる。切実な問題だけに対応できて良かった。子どもたちが学校に来やすい条件整備を進めたい」と話した。

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