体調不良の理由は食中毒でした。12月4日、長野県白馬村の小中学校で、給食を食べた複数の児童・生徒に発疹や頭痛などの症状が出た問題で、保健所は「ヒスタミンによる食中毒」と断定しました。「フィッシュチリソース」のカジキが原因だということです。
白馬村の小中学校3校では、12月4日、給食を食べた複数の児童・生徒・教員に発疹や頭痛などの症状が出ました。
給食は、村の学校給食センターが調理したもので、保健所の調査の結果、カジキの「フィッシュチリソース」からアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」が検出されました。
保健所は「ヒスタミンによる食中毒」と断定し、給食センターに対し10日までの2日間、給食の提供の停止を命じました。患者は46人に上り、いずれも快方に向かっているということです。
食中毒の断定を受け、村の教育委員会は、調理員などを対象に衛生研修会を行い、再発防止策を講じる方針です。
12月5日から停止している給食の提供は、12月16日から再開するということです。
保健所によりますと、ヒスタミンはマグロやサバ、カジキなど青魚に多く含まれるヒスチジンが分解されることで生成され、食べるとアレルギーのような症状が出るということです。
管理する温度が高いと細菌が増殖し、ヒスタミンが生成されるため、魚介類は購入したらすぐに冷蔵庫で保管し、できるだけ早く調理して食べることが大事だということです。
あまり聞き慣れない「ヒスタミン食中毒」。予防のポイントなどを県の担当者に聞きました。
長野県 健康福祉部 食品・生活衛生課・松本泉さん:
「マグロとかイワシとかサバ、今回のカジキとか、そういった赤身の魚は、ヒスタミンの原因となるヒスチジンという物質が筋肉中に多く含まれる傾向があります。常温で置かれるようなことがあると、急激にヒスタミンが生成されてしまうことになります」
大町保健所によりますと、今回のケースでも、カジキを長い時間、常温で解凍したことでヒスタミンが生成された可能性が高いということです。
長野県 健康福祉部 食品・生活衛生課・松本泉さん:
「ヒスタミンが増えても、臭いで分かったりということがなかなかないので、非常に判別が難しい。いったん(ヒスタミンが)できてしまうと加熱調理で分解することはないので、注意が必要」
ヒスタミンを摂取すると顔が赤くなったり、発疹や腹痛などの症状が出るということです。
中毒を防ぐためには、どういうところに気を付ければいいのでしょうか。
長野県 健康福祉部 食品・生活衛生課・松本泉さん:
「購入したらまず冷蔵庫、冷凍庫ということで温度管理を徹底していただくということ。できるだけ早く調理して食べていただくということが必要になる。流水で水を流しながら解凍する方法。あるいは冷蔵庫に入れておいて冷やしながら解かしていく方法もある。そういったことをやっていただくと、リスク低減につながるのかなというふうに思います」
魚を解凍することは家庭でもよくあるので、気を付けたいですね。
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