開通したばかりの雪の回廊に現れた1匹のクマ。
縦横無尽に道路を走り回っている。
気温が暖かくなってきた今、各地でクマの出没が相次いでいる。
ゴールデンウィークのドライブ中、突然、目の前に現れたツキノワグマ。
助手席にいた柴犬も異変に気づいた。
すると次の瞬間、クマが車に向かってきた。
身を乗り出す柴犬。
一気に臨戦態勢に。
車を運転していた男性は、「(犬は)クマを見たことがないものと認識したと思う。『なんだお前は!』と、尻尾がピン! と立ち上がった」と当時の様子を語った。
クマが現れたのは、ゴールデンウィーク初日。
運転していた男性は、夫婦で秋田県にある人気の観光地「雪の回廊」をドライブ中だった。
隣に乗っていた柴犬は、メスのユキ(8)。
雪が大好きなことから、この名前がついた。
そんな柴犬ともども、雪の回廊でドライブを楽しんでいるさなか、目の前にツキノワグマが現れた。
あらためて映像を確認してみると、クマは雪の壁をよじ登ろうとするが、あまりの高さに諦める。
突然の出来事に、思わずスピードを落とす車。
対向車線でも列を作っている。
その様子をじっと見ていた柴犬だったが、一瞬、飼い主の方を振り返った。
対向車線のシルバーの車が、おそるおそる徐行で前に進むと、クマは車の前に飛び出すように走り出し、一瞬こちらの方に方向を変え、すぐに走り去った。
すると突然、柴犬がクマの方に向かって身を乗り出した。
そして、その姿勢のまま、走って逃げていくツキノワグマをじっと見つめていた。
運転手の男性は、クマが現れる直前、こんな異変を感じていた。
クマに遭遇した男性「走っていると、急にドスンと何か落ちてきたように見えた。黒いのが。『動いているぞ、クマじゃん』って」
クマの方を、警戒するように眺めていたという愛犬。
その様子は、飼い主がこれまで一度も見たことがない迫力があったという。
クマに遭遇した男性「(ユキちゃんと)近所を散歩している時は、犬と猫にギャンギャンわめく子。(クマを)初めて見るような感じで、急激に耳と尻尾がピンと立った。威嚇するような格好になっていた。初めて見る挙動でした」
目撃した男性によると、この時、クマはあわてているように見えたという。
クマに遭遇した男性「クマはパニックを起こしている感じ。行ったり来たり、行ったり来たり。(壁を)登れなくて、雪の回廊が高くて」
クマが現れたのは、秋田県の観光名所・除雪のあとにできる「雪の回廊」。
全長27kmと日本一の長さを誇り、最も高い雪の壁は8メートルにもなる。
その日は、ゴールデンウィーク初日。
多くの車でにぎわっていた。
男性によると、クマは道路に現れる直前、雪の壁から転落してきたという。
高さは、約4メートル。
動画をもう一度見てみると、壁をよじ登ろうとするなど、クマは雪の壁に閉じ込められてしまったように見える。
同乗者「助けてあげられないもんなあ...。さすがにクマは...」
クマは、雪の壁の低くなっていたところから、ジャンプして逃げていったという。
一方、冬眠明けとみられるクマの目撃は、ほかの場所でも。
北海道・興部町の森で、4月に撮影された映像には、ゆっくり木に近づき、においをかぐヒグマの姿が映っている。
突然、画面の奥の方へ猛然と走り去っていった。
カメラに記録されたのは、冬眠から目覚めたばかりのヒグマ。
春を迎えて気温が暖かくなった今、活動を活発化させているという。
専門家は、ゴールデンウィーク中もクマに警戒するよう指摘する。
冬眠明けで、えさを求めて活発に活動するため、注意が必要だという。
東京農業大学 森林総合科学科・山崎晃司教授「ゴールデンウィーク中は、クマと遭遇する可能性が高い。ツキノワグマは過去に、バスターミナルに人がたくさんいる中に入ってきて、(クマ)がパニックになって人を襲った例がある」
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