元日の能登半島地震で液状化被害を受けた新潟市の地域に対し、再びの大きな揺れに備え、地盤強化を施す工事について。地震から1年を迎えようとする中、ようやく新潟市は工事に必要な地質調査を開始しました。

■液状化対策へ…“地質調査”ようやく開始

【松村道子キャスター】
「新潟市西区鳥原地区。12月17日、ようやく新潟市による地質調査が始まりました。周辺に住宅も多いことから、防音シートをかけながらの作業となっています」

能登半島地震による液状化被害を受けた地区で今後、同じような揺れに見舞われたとしても被害を軽減できるように施す面的な液状化対策工事。

12月17日に始まった調査は、その工事の前提となるものです。

【新潟市都市計画課 石黒慎太郎 主幹】
「まずは、被害があった地域の地盤の状況の詳細なデータを集めるための、地盤・地質を調べるボーリング調査を開始したところ」

地下20mまでの土を掘り出すボーリング調査は、西区と江南区の合わせて27カ所で順次、実施されます。

この液状化対策をめぐっては、対応の遅れが指摘されてきました。今年5月に開かれた初めての専門家会議では…

【新潟大学災害復興科学研究所 卜部厚志 教授】
「判断する材料がこれではなさすぎる」

専門家は対策を施す地域や工法を選定する上で、資料が少なすぎると指摘。

こうした指摘を受け、市は地質調査の予算を9月議会に諮ったのち、ようやく12月17日に調査を始めました。

【新潟市都市計画課 石黒慎太郎 主幹】
「新潟市の被害が大きかったことで、調査等にも予算も時間もかかるというふうに考えている。ようやく、その辺の準備が整ったということで、今後、しっかり進めていきたい」

■住民は液状化対策の“早期実施”を要望

一方、この日、液状化被害を受けた江南区天野地区の自治会長などが野島晶子副市長の元を訪ね、面的な液状化対策の早期実施を要望しました。

【江南区天野中前川原自治会 増田進 自治会長】
「この地区の未来、安全と安心な地区として孫子の世代に引き継ぐためにも、本要望いたします」

江南区天野地区の2つの自治会は、独自の住民アンケートを行っていて、住民の8割が工事を希望。このうち、ほとんどが自己負担なしでの実施を望んでいます。

【新潟市 野島晶子 副市長】
「まさに、その地域の皆様の心の声が詰まっているものと受け止めさせていただきます」

新潟市は今年度中に地質調査を終了し、来年夏頃にはエリアごとにどのような工法が考えられるか、住民に提示したい考えです。

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