NTT東日本など複数の企業が共同で設立した新しい会社が、閉館した秋田県男鹿市の温泉施設を活用して魚の陸上養殖事業に取り組むことになり、男鹿市と立地協定を結びました。
男鹿市と立地協定を結んだのは、新たに設立された会社「男鹿なまはげ魚工房」です。NTT東日本や秋田銀行の子会社、秋田県内の水産事業者などが共同で設立したもので、陸上で魚の養殖事業に取り組みます。
養殖施設は、2024年3月に閉館した男鹿市の温泉施設の跡地に整備されます。NTT東日本がICT技術で水質や飼育状況を提供し、男鹿市の水産会社が魚の管理にあたります。
養殖するのは高級魚「タマカイ」。ハタ科の魚でクエの仲間です。ゼラチン質が豊富で鍋料理や唐揚げと相性が良く、今後、県内の飲食店と協力してメニュー開発に取り組むほか、ふるさと納税の返礼品などブランド化を目指します。
陸上養殖は天候や環境の影響を受けにくく、安定した生産が見込めます。1年目は約2トン、将来的には年間100トンの生産を目指します。
男鹿なまはげ魚工房の澤村誉社長は「最近、水産業の衰退の問題が出てきているので、そこに私たちの技術、ノウハウがどう使えるか。それで地域の皆さんとともに、どういうふうにそれを復興させられるかというところに取り組んでいく1つの大きなチャレンジだと思っている」と意欲を示しました。
今後、養殖用の水槽を設置するなど改修を進め、2026年夏ごろから飼育を始める計画です。初めての出荷は2027年夏の予定です。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。