修学旅行の夜は、何があってもすぐ飛び出せるように、旅館の浴衣なんて着て寝ちゃだめ。バス移動では、休憩のSA出発前に、生徒が残っていないか必ずトイレを確認。卒業式では、コツコツいわないヒールを履くこと。
40歳を過ぎてから教員免許を取得し、中学校教員として入職した私は、この4年間多くのことを、同じ学年団のあづさ主幹教諭に教えていただきました。大きな包容力で、生徒や保護者だけでなく、教員までも良い循環に巻き込んでいかれるお人柄に、次第に憧れるようになりました。
心の準備はしていたものの、離任式の壇上でお話しする先生を見上げて、寄る辺なく、涙がぽたりぽたりと落ちてどうしようもありませんでした。魂で寄り添ってくださる先生に、時を遡(さかのぼ)りながら、中学生の私も抱きしめていただいた4年間でした。
だから、お別れに際して誓います。あなたのように、誰にでも笑顔で「大丈夫よ」と言える教員になること。生徒たちを、輝く道に導くこと。学校が彼らの成長の舞台となるよう整えること。それを第一に仕事をしていきます。「人が人を育てるのは大変な仕事だから、教員同士で助け合わなきゃいけないのよ」と教えてくださったことを忘れずに、私なりのあづさ先生を目指して。
丑谷智子(47) 東京都清瀬市
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