20代から幅広い世代で罹患し、年間3000人が命を落とすという子宮頸がん、原因や予防するためにできることを県立病院産科・婦人科主任医長の加藤じゅん医師に聞きました。
街頭インタビュー:
・「怖いイメージがある。検診に毎年行っている」
・「きちんと検査をしないと見つからないから、年に1回検診を受けるようにしている」
・「(ワクチン接種は)していない。娘に受けさせるのも考えている」
県立病院産科・婦人科主任医長 加藤じゅん医師:
「子宮頸がんは、子宮の入口にできるがん」
全国では年間約1万人が新たに子宮頸がんと診断され、約3000人が命を落としています。がんの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
加藤じゅん医師:
「このウイルス自体は、非常にありふれたウイルス。性交渉の経験がある女性の8割以上の方が1度は感染している。HPVの一部のハイリスク型と言われるものが、子宮頸がんを引き起こす原因になる」
子宮頸がんは、20代後半から患者が増え始め、30代から40代に最も多い病気。出産の年齢とも重なります。がんの進行具合は大きく4段階に分けられますが、がんになってしまうと、第一段階で子宮を全て取り除く手術をすることになります。子宮を残すにはがんの前段階で異変に気づく必要があります。ただ、この初期段階ではほとんど症状が現れません。
加藤じゅん医師:
「初期には何も症状はない。病気が進行すると、生理以外の出血や性交時に出血がある。手術をしても治癒が難しい状態で見つかる人も多い」
それでは、そもそも子宮頸がんに罹らないためにはどうすれば良いのか。効果的なのはワクチン接種です。ワクチンは自己負担がかからない公費で打つことができます。ただ、国が接種を控えていた期間にワクチンを逃した世代がいます。その世代に当たる1997年から2008年生まれの女性も、いまなら無料でワクチン接種ができます。
加藤じゅん医師:
「キャッチアップ接種が始まっている。2025年3月末までで、もう1年を切った。ワクチンの接種は3回必要で半年間かかる。9月ごろまでに1回目のワクチンを始める必要がある」
また、定期的ながん検診も欠かせません。早い段階で異変を発見できれば子宮を残す治療ができ、治療後に妊娠や出産をすることも可能です。
加藤じゅん医師:
「市町村から2年に1回、検診の案内が届いていたり、職場の検診などで子宮がん検診をしているところもある。発見が遅れがちなので、ぜひ検診の機会を利用して受けてほしい」
20代から幅広い世代で患う可能性があり、妊娠や出産にも関わる子宮頸がん。予防して子宮と命を守りましょう。
加藤じゅん医師:
「若い人がなりやすいがん。予防することが大事。もちろん40代、50代でも子宮頸がんになるので、がんを防ぐような手立てを自分で身を守るためにしてほしい」
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