学校の授業で使う生き物が一堂に会するその名も「教材生物バザール」が東広島市で開かれました。先生たちにとっては貴重な機会。教育現場の今を取材しました。
葉っぱの上をクネクネと動くモンシロチョウの幼虫…。
容器の中でその時を待つのは「イシガメ」です。
13日、県の施設で開かれたのは観察や実験のため学校の現場で飼育する生き物が、無償で提供される「教材生物バザール」です。
児童・生徒が”ホンモノ”に触れる機会を増やそうと県内の小学校や中学校などら教職員が集まりました。
実はこの「教材生物バザール」、1997年に始まり、今年で「27回目」になります。
2001年に実施された際に、ほとんどの参加者が持ち帰ったのは「メダカ」。
その背景に川がコンクリートで固められ手に入りにくくなった事情がありました。
また2005年には「カエル」や「ヘビ」など両生類や爬虫類に触れられるコーナーが新設されるなど毎年、先生たちから人気のイベントです。
去年の一番人気は「カブトムシの幼虫」でしたが、今年は…。
【毛利記者】
「こちらは人気のメダカのコーナーです。先生がひっきりなしに訪れ持ち帰っています」
「元気そうですね、お腹がすでに大きいのが…」
また、こちらでは…。
【毛利記者】
「一匹ずつ(イモリの)尻尾をつかんで水槽に移しています」
「カゴに一杯生き物が入っていますね」
子どもたちのために、”真剣な表情”で生き物を集める先生たち…。
【中学校の教師】
Qボルボックスをもらった
「田んぼに普通にいるが集めるのが大変。これだと子どもたちが自分でスポイトでとって顕微鏡で観察できるので」
こちらの先生は…。
【小学校の教師】
Qカブトムシの幼虫を持っているが
「ぜひこれだけはゲットしたかった。最後の1つだった」
「本当だったら卵から幼虫、さなぎという形で観察していきたいが、生き物は思うように育ってくれなかったりとか難しいということもあって、時には映像で様子を見せたりもするが、直に体験、触れさせて観察したいなという思いでホンモノを求めてきた」
”ホンモノ”にこだわるのにはこんな思いも…。
【中学校の教師】
「いまの子供たちは動物・植物・昆虫に触れる機会が少ないので、授業の中で実物に触れさせる機会を作っていきたい」
こうした中、今年集まったおよそ170種類の中で”珍しい”とされたのが「ハムスター」と「フクロモモンガ」です。
【中学校の教師】
「生き物の可愛さ。犬とか猫とかを飼っている子はいても、なかなかそういうものを身近に触れていない子もいるし、命というものを感じてほしい」
また、会場ではニワトリやネコなどの骨格標本も展示された他、さらに海の生き物の展示もありました。
参加した先生たちが実際に触れ、知見を深める様子もありました。
<スタジオ>
このバザール。主催した県立教育センターによりますと、県外では聞いたことがない珍しい取り組みだということなんです。
また、子どもたちが生き物に触れ合うキッカケも時代の変化が影響していて、ある先生の話では、「生き物好きの子は減ってはいないと思うが、外に出たら危ない、川で遊ぶのは危ないなどと言われる時代なので好きになるキッカケがない」と懸念する声も聞かれたということです。
13日は県外の研究機関(大学や水族館)も生物などの提供のために訪れたということで、自分たちが研究している生き物をぜひ子どもたちに知ってほしいという思いを持って参加していたそうです。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。