開花したスズタケの花。黄色い雄しべがぶら下がる=宮崎県五ケ瀬町の向坂山で2024年5月14日午前11時09分、重春次男撮影

 開花の周期が約120年とされるイネ科、ササの一種「スズタケ」が宮崎県五ケ瀬町鞍岡の向坂山(1685メートル)の山頂近くで、5月に入り開花した。その周期から、人がスズタケの開花に出合えるのは生涯に一度と言われる。

 一帯は国有林内。宮崎北部森林管理署(同県日向市)によると、スズタケは四国や九州の寒冷・高地のブナ林などに分布する。

開花したスズタケを手にする秋本さん=宮崎県五ケ瀬町の向坂山で2024年5月14日午前11時25分、重春次男撮影

 向坂山では保護林内の約115ヘクタールに密生。花に花弁はなく、丈約1~2メートルのササから小豆色をした穎(えい)と呼ばれる長さ3センチほどの穂がすっと伸び、穂の中に白い綿毛の雌しべが隠れ、黄色い雄しべがぶら下がる。

花を付けたスズタケ=宮崎県五ケ瀬町の向坂山で2024年5月14日午前10時55分、重春次男撮影

 五ケ瀬町の自営業、森林保全巡視員を務める秋本治(はじめ)さん(81)が2日、一部開花したのを見つけた。14日は現地で宮崎北部森林管理署の署員と共に開花状況を確認。秋本さんは「昔をよく知る人から咲くと聞いていたが、初めて見た時は驚くばかりだった」と語った。【重春次男】

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