「マウスピース歯科矯正の実質無料」をうたっていたにもかかわらず、返金がないとして訴えられていた会社の社長らが、別の会社の社債への出資者を募り顧客から1億3000万円を不正に集めた疑いで警視庁に逮捕された。被害は80億円に上るとみられている。

歯科医院などを運営していた「THE GRANSHIELD(ザ・グランシールド)」社長の中村佳敬容疑者(なかむら・よしたか=46)と、コンサル業の「トラステール」社長の高橋章容疑者(たかはし・あきら=61)ら8人は、「トラステール」の社債の購入を無登録で募り、顧客からあわせて1億3000万円を不正に集めた疑いで逮捕された。

中村容疑者らは出資者に「元本は保証。年利20%」などとうたっていたものの、実態は配当がなく苦情が相次いでいた。「トラステール」社債を400万円分購入した女性は、FNNの取材に「『(集めた金は)病院の運営に使われるので安全』だと説明を受けたが、配当は得られていない」と憤りをあらわにした。

中村容疑者ら8人は、2017年以降、約1300人から80億円を集めたとみられている。

中村容疑者が経営していた「THE GRANSHIELD(ザ・グランシールド)」は、東京や福岡などに歯科クリニックも運営し、「マウスピースによる歯科矯正が実質無料になる」とPRしてモニターを募集していたが、約束された払い戻しがないとしてトラブルが相次ぎ、集団訴訟に発展していた。

警視庁は、歯科矯正をめぐるトラブルについても捜査を進め、実態解明を進める方針。

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