オープンを祝い、テープカットする関係者=名古屋市中村区で2024年5月15日午前11時21分、荒木映美撮影
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 名古屋市中村区に15日、東海地方で初めてとなるウクライナ料理レストラン「ジート」がオープンした。運営するのは避難民を支援するNPO法人「日本ウクライナ文化協会」(同市)。ロシア侵攻で愛知県内に避難しているウクライナ人の雇用創出と現地料理の普及を目指している。

 店名のジートは、世界有数の穀倉地帯として知られるウクライナで生産されるライ麦のウクライナ語だ。店内の壁には、避難民がデザインした、花と蔓(つる)をモチーフにした刺しゅうが装飾されている。

オープニングセレモニー用のドリンクを用意するレストランの従業員=名古屋市中村区で2024年5月15日午前11時24分、荒木映美撮影
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 ウクライナの代表的な煮込み料理「ボルシチ」やウクライナ風ロールキャベツ「ゴルブッツィ」、ウクライナ風水餃子(ぎょうざ)「ヴァレーニキ」などのほか、お酒も提供する。ランチは1000~1200円。

 愛知県によると、1日現在、ウクライナから119人が県内に避難している。レストランで雇用される13人のスタッフのうち9人が避難民だ。日本ウクライナ文化協会の川口プリスリュドミラ理事長(44)は「日本語が話せない人でもキッチンスタッフとして働くことができる」と説明。オープニングセレモニーに参加したセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は「避難している人はウクライナに残る家族や友人の安否を心配して携帯電話依存症になっている人も少なくない。雇用の創出は心に傷を負った避難民らのリハビリになる」と話す。

ウクライナ料理を楽しむ人たち=名古屋市中村区で2024年5月15日午前11時54分、荒木映美撮影
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 レストランは名古屋駅東側のウインクあいち地下1階にあり、駅から徒歩5分。営業時間は月曜~土曜は午前11時~午後10時。日曜は午前11時~午後6時。予約や問い合わせはレストラン(070・1661・1505)。

 日本ウクライナ文化協会は、運営資金を確保するため、クラウドファンディング(CF)「OCOS」で400万円を目標に支援を呼びかけている。CFは7月31日まで。15日午後8時時点で12万円集まっている。【荒木映美】

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