自分は「幸せである」と感じている日本人の割合は57%で、調査対象30カ国の中で28番目の低さだったことがフランスの世論調査会社イプソスのリポートで分かった。割合は低下傾向にあり、2011年の70%から13ポイント減ったことも判明。同社日本法人は「幸福感の低下傾向は日本だけではない。政治不信、紛争、自然災害、新型コロナウイルスの感染拡大などに起因しているのではないか」としている。
調査は23年12月~24年1月、欧米やアジア、オセアニアなどの各地域にある30カ国の計約2万3000人(16~74歳)を対象に主にオンラインで実施。日本では約2000人から回答を得た。
「幸福感」は、①とても幸せ②どちらかといえば幸せ③あまり幸せではない④まったく幸せではない--の4択で尋ね、日本の場合は①②と答えた人が57%だった。この割合は、高い順にオランダ(85%)、メキシコ(83%)、インドネシア(82%)などとなっており、最も低かったのは韓国とハンガリーでいずれも48%。30カ国の平均は71%で、11年調査の77%から低下した。
「幸福を左右するもの」として、「友達」「仕事」「自分の経済状況」など17項目で日本は「満足している」と答えた人の割合が30カ国中最下位だった。
同社日本法人は日本人の幸福感が低いのは、長時間労働▽「出るくいは打たれる」などの社会的プレッシャー▽高齢化と人口減少▽自然災害▽教育の競争――などが背景にあるのではないかとみる。
一方で、幸福感を覚えている日本人の割合を世代別に見ると、1966~79年生まれが49%と最も低かった。その点について、同社日本法人は「グローバルで同様の傾向がある。(40~50代で)肉体的な衰えが精神にも影響するほか、夫婦間の問題や子育て、介護、会社での役割の変化などが要因になっているのでは」と分析する。【平塚雄太】
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