16歳以上の自転車の交通違反に交通反則切符(青切符)を交付する道路交通法改正案が17日、参院本会議で可決・成立する。自転車運転中の携帯電話使用(ながら運転)や酒気帯びに罰則規定を新設する。自転車の違反処理が見直されるのは戦後初めてで、利用者への周知がカギになる。
自転車への「反則金」制度は公布後2年以内に導入される。対象とする違反行為を115種類程度とし、反則金額は原動機付き自転車と同程度にする。期限内に反則金を納付すれば、刑事罰は科されない。
反則金はモータリゼーション時代の1967年に創設された交通反則通告制度に基づき、現行の制度は自動車やバイクを対象に「指定場所一時不停止」や「信号無視」といった違反行為に青切符を交付している。自転車の交通違反は青切符の対象外で、刑事手続きの対象となる交通切符(赤切符)が主に使われている。
ながら運転や酒気帯びへの罰則は公布後6カ月以内に施行される。赤切符対象の酒気帯び運転は有罪になれば3年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。ながら運転で実際に危険を生じさせた場合も赤切符対象で、1年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。
自転車の利用拡大によって違反や事故が目立ったことから、警察庁は2023年8月に有識者検討会を設置。検討会がまとめた報告書は、違反行為の「指導取締り」に加え、ルール周知の「交通安全教育」と安全通行を確保する「交通規制」の3つを柱とする提言を盛り込んだ。
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