原爆死没者名簿に風を当てながらページをめくる長崎市職員=長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で2024年5月17日午前11時4分、尾形有菜撮影

 長崎原爆で亡くなった人の名前や死没日、死没時年齢を記した原爆死没者名簿を外気にさらす「風通し」が17日、長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館であった。市原爆被爆対策部の職員11人が、長崎原爆がさく裂した午前11時2分に黙とう。200冊の名簿を丁寧にめくり、傷みの有無などを確認しながら湿気を払った。

 名簿には、2023年7月末までに市が把握した19万5704人の死没者名が記載されている。広島で被爆し遺族が長崎の名簿への登載を希望した97人分の1冊と、被爆直後に死亡して名前が分からない犠牲者のための白紙名簿1冊も含まれる。

 23年8月以降に死亡が判明した被爆者の名前を名簿に書き加える「筆耕(ひっこう)」は6月に始まり、名簿は8月9日の平和祈念式典で奉安される。市援護課職員で被爆3世の山本李緒(りお)さん(23)は「一人一人のお名前にきちんと風が当たるようにという思いを込めた。これだけ多くの方が亡くなったんだと改めて実感した」と話した。【尾形有菜、百田梨花】

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