栃木県警本部=李舜撮影

 関東近隣の山あいの民家で相次いだ強盗事件で、窃盗未遂容疑で逮捕されたベトナム国籍の男性が被害品のキャッシュカードで現金の引き出しに失敗する直前、同じカードで計数十万円が引き出されていたことが、捜査関係者への取材で判明した。栃木県警などの合同捜査班は男性がカードで現金を引き出しながら逃走したとみて調べる。

 合同捜査班は被害品のカードで現金を引き出そうとしたなどとして、いずれもベトナム国籍の住所不詳、自称内装工、ホアン・フー・ホア容疑者(25)を窃盗未遂容疑で、一緒にいた住所不定、無職の男性(23)を出入国管理法違反(不法残留)容疑でそれぞれ逮捕、送検している。

 捜査関係者によると、ホアン容疑者は4月30日午前5時ごろ、同県佐野市のコンビニエンスストアの現金自動受払機(ATM)で、同県日光市の強盗事件で奪われたカードで現金を引き出そうとしたが、利用停止措置が講じられたため失敗。その直前、同じカードで別のATMから複数回にわたり計数十万円が引き出されていた。

 また、犯行に使われたとみられる車両が日光市の現場周辺や佐野市へと続く道路周辺の防犯カメラに映っていたことも判明した。

 栃木、長野、群馬、福島の4県では4月末以降に山あいの民家で金品が奪われる事件が4件発生。栃木、群馬、長野3県警の合同捜査班に17日に福島県警も加わり、一連の事件との関連を調べている。【池田一生】

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