佐々木光容疑者=東京都品川区で2024年4月29日、和田大典撮影

 栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件で、警視庁と県警の合同捜査本部は19日、指示役とされる住所不定、職業不詳の佐々木光容疑者(28)=死体損壊容疑で逮捕=を夫婦に対する殺人容疑で再逮捕した。

 事件では死体損壊容疑などで6人が逮捕されているが、殺人容疑で再逮捕されたのは2人目。

 佐々木容疑者の再逮捕容疑は、4月15日午後11時50分から翌16日午前1時半ごろまでの間、東京都品川区東五反田の空き家のガレージ内で、仲間と共謀して、会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)=東京都千代田区=の首を絞めるなどして殺害したとしている。

 捜査関係者によると、佐々木容疑者は福岡から上京後、上野・アメ横周辺で飲食店の客引きの仕事をしていた。主導役とされる夫婦の長女の内縁の夫で、会社役員の関根誠端(せいは)容疑者(32)は同じ地区で、夫婦の経営する店舗のマネジャーをしており、佐々木容疑者とは知人だった。

 捜査本部は認否を明らかにしていないが、佐々木容疑者は「4月初旬に関根容疑者から夫婦の殺害と遺体の処理を指示され、実行役を探せと言われた。上野で力がある人なので、上野で仕事をしていく上で断り切れなかった」と供述。仲介役とされ殺人容疑で再逮捕された建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)に夫婦の殺害を依頼したという趣旨の説明をしているという。

 佐々木容疑者は殺害現場について、「関根容疑者に良い場所がないか相談し、空き家を指定された」とも供述。関根容疑者が、知人の前田亮容疑者(36)に計画を持ちかけ、前田容疑者が内覧を装って、夫婦を品川区の空き家に誘い出したとみられる。空き家は、前田容疑者が役員を務める不動産会社が管理していた。

 夫婦の遺体は4月16日早朝、那須町の山中の河川敷で、火で焼かれた状態で見つかった。捜査本部は、平山容疑者から依頼を受けた職業不詳で韓国籍の姜光紀(カン・グァンギ)(20)と、元俳優の若山耀人(きらと)(20)両容疑者が夫婦を殺害後、遺体を損壊した実行役とみている。死体損壊容疑で逮捕された関根容疑者らについても、殺人容疑で順次、再逮捕する方針。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】

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