現在も精力的に活動するノンフィクション作家の柳田邦男さん=とちぎテレビ提供

 巨大事故や災害、医療などの分野で数多くの著書がある栃木県出身のノンフィクション作家、柳田邦男さん(87)の生き方や思いに迫ったドキュメンタリー番組「柳田邦男 生きる力を見つめて」(とちぎテレビ制作)の上映会が6月9日、宇都宮市若草1のとちぎ福祉プラザで開かれる。当日は柳田さん本人も登壇し、参加者からの質問に答えたり、思いを語ったりする時間もある。

 柳田さんは1936年、同県鹿沼市生まれ。東京大卒業後、NHK記者となり、広島放送局を経て社会部で航空機事故などを取材。ノンフィクション作家としても活躍し、「マッハの恐怖」で大宅壮一ノンフィクション賞、「犠牲(サクリファイス) わが息子・脳死の11日」で菊池寛賞などを受賞した。

 半世紀以上にわたる取材経験から、生命や文明への思索を深め、日航機墜落事故の現場である御巣鷹山に慰霊登山をしたり、初任地の広島に鹿沼市の中学生を派遣する事業に協力したりもしている。

 番組では、柳田さんの生い立ちや現在も精力的に活動する姿を紹介。事故や災害の現場を訪ね、遺族らとの交流を重ねて思い至った「人間には『生きる力』がある」という柳田さんの人間観や生命観を伝える。

 とちぎテレビが開局25周年を記念して4月に放送したが「柳田さんの肉声を、地元の人たちに広く伝えたい」と上映会を企画した。当日は「ユニバーサル上映」と銘打ち、聴覚障害者のための字幕や、視覚障害者のための音声ガイドも完備して開催する。

 午前10時~正午。無料。定員300人(先着順)。参加申し込みはホームページ(https://www.tochigi-tv.jp/)やファクス(028・650・6631)のほか、郵送でも受け付ける。問い合わせは同局(028・623・0032)。【小林祥晃】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。