大阪府寝屋川市の病院でカテーテルを誘導する金属製ワイヤを男性患者の体内から抜き忘れ、2018年2月に転院先の病院で死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた医師、鎌田振吉被告(76)に大阪地裁(御山真理子裁判長)は15日、禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)を言い渡した。

御山裁判長は判決理由で、被告には、エックス線検査で見つかった影の原因がワイヤかどうか特定する義務があったとした上で「患者の死亡は予見できた」とした。

被告側はワイヤの抜き忘れを認めた一方、患者が死亡したのはカテーテルを抜いた転院先の男性医師=嫌疑不十分で不起訴=の処置が原因だったとして無罪を主張。御山裁判長は「男性医師の抜去行為はワイヤの放置で誘発されたものだった」として退けた。

判決によると、被告は17年11月、鈴木博さん(当時69)の血管にカテーテルを挿入した際、金属製ワイヤを抜き忘れた。エックス線検査でワイヤの影に気づいていたが対応を怠り、鈴木さんはその後、転院先で死亡した。〔共同〕

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