警視庁=米田堅持撮影
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 違法な高金利で現金を貸し付けるヤミ金融を営んだとして、警視庁生活経済課は21日、東京都大田区の無職、針谷恭輔容疑者(44)ら男女4人を貸金業法違反(無登録営業)と出資法違反(超高金利)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。

 捜査関係者によると、針谷容疑者は、2003年に摘発された指定暴力団山口組・旧五菱(ごりょう)会系ヤミ金融業者の元従業員。「五菱会が潰れて一回足を洗ったが、18年に再開した。やっぱりあの味が忘れられない」と話しているという。

 警視庁は、旧五菱会系の流れをくむヤミ金融業者が、組織的に違法な貸し付けをしているとみて調べる。

 針谷容疑者らは23年10月~24年2月ごろ、無登録で男女9人に計約180万円を貸し付け、法定金利の3・4~17・9倍の利息約68万円を得た疑いがある。

 以前の旧五菱会系のヤミ金融は、複数のグループの傘下に、違法な貸し付けをする多数の「金融店」を配置。「センター」と呼ばれる管理部門が、多重債務者の名簿などをそれぞれの金融店に提供していた。

 針谷容疑者は、今回のヤミ金融の営業で使った他人名義の携帯電話や返済金を受け取る銀行口座、顧客名簿などについて「『センター』が手配してくれた」と供述。警視庁は旧五菱会系の手法と似ていることから、「センター」がいまも存在し、旧五菱会系のヤミ金融業者が傘下に複数のグループを置いて活動しているとみている。

 針谷容疑者は、それらのグループの一つを統括していた可能性があり、18年1月~24年2月に、計約1万5000件について違法な高金利で約5億円を貸し付け、利息として約6億円を得たとみられる。【加藤昌平】

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