小林製薬が製造した紅麹(こうじ)原料を含む機能性表示食品の健康被害問題で、大阪市は24日、全国の2050人の症例を分析した疫学調査の結果を公表した。発症と製品の摂取開始の時期を特定できた1265人のうち、4割が摂取開始から2カ月未満に発症していたという。
市は原因物質の特性と発症までの期間との因果関係について「現時点では分からない」としている。今回の結果は中間とりまとめとしており、調査を継続する方針。
小林製薬が製品の自主回収を発表した3月22日から5月15日にかけ、全国の保健所を介して集めた調査票をもとに分析した。全体の71%が女性で、年代別では50代が4割、60代が3割を占めた。
症状の軽重でみると、医療機関を受診しなかった人が707人(35%)いたほか、外来で治療を受けた軽度の人は1170人(57%)だった。入院治療後に回復した中等度の人は103人(5%)いた。3%にあたる66人は入院治療を受けた後も完治せず、腎機能障害などの後遺症が残ったという。
訴えた症状は「倦怠(けんたい)感」が67%で最も多く、「手足のむくみ」が29%、「食欲不振」が19%で続いた。
また症状が出た月を把握できた人について調べたところ、発症者は2023年9月以降に急増。同年11月から24年3月までの5カ月間に約7割が発症していた。
厚生労働省によると、5月23日時点で5人の死亡が判明している。
一連の問題を巡っては、青カビから生成される天然化合物で毒性が強いとされるプベルル酸のほか、複数の物質が製品の原料ロットから検出された。国立医薬品食品衛生研究所などが検査を進めているが、原因究明は長期化する様相だ。
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