「紀州のドンファン」と呼ばれた和歌山県の資産家の男性が殺害された事件で、元妻が逮捕されてから3年が経ちました。
その元妻が事件前に別の男性から金をだまし取った詐欺罪での裁判で27日、元妻への被告人質問が行われています。
■別の男性から約2980万円をだまし取った罪
須藤早貴被告(28)は、2015年から翌年にかけ、当時61歳の男性から海外留学費用などと「うそ」をついて、現金あわせておよそ2980万円をだまし取った罪に問われています。
■「彼は私の体をもてあそぶために払った」起訴内容否認
今月10日の初公判で須藤被告は起訴内容について「私が金を受け取ったことは事実。うそもつきましたが、それを分かった上で彼は私の体をもてあそぶために払ったと思っています」と話し、詐欺罪は成立しないと主張していました。
■「清楚で純粋な女性だと思っていた」と男性
17日には証人尋問が行われ、当時61歳だった男性が証言台に立ち、検察側から被告の印象について聞かれると男性は「清楚で純粋な女性だと思っていた」と答えたうえで、性的な目的で金を出したことを否定し、被告に対し「厳しい処罰を求めます」と訴えました。
■「毎月50万円ぐらいもらっていた」
そして27日の被告人質問では、須藤被告は詐欺罪に問われている金以外にも当時通っていた専門学校の学費として実際は5万円から6万かかる費用を15万円分要求し、受け取っていたと説明。
弁護側から「被害者は学費にかかる金額を信じていたか?」と問われると「信じていなかったと思う」と話すなどし、被害者がウソと分かった上で、必要以上の金を渡していたと主張しました。
被害者との関係性については「最初は、キャバクラのホステスと客。その後男性が『キャバクラで稼いだ分の給料を払うからキャバクラをやめろ』と言ってきたので、愛人のような感じ。カラオケに行って、性的なことをする関係。男性から「小遣い」として「15万円を定期的にもらっていた。後は会った際に1回10万円ぐらい(学費用と)あわせて毎月50万円ぐらいもらっていた」などと話しました。
■資産家の夫を殺害した殺人などの罪でも起訴 裁判の見通し立たず
須藤被告はこの事件の2年後に和歌山県田辺市の自宅で夫だった資産家の野崎幸助さん(当時77)に覚醒剤を摂取させて、殺害した殺人などの罪でも起訴されていますが、裁判の見通しは立っていません。
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎さんは2018年に55歳年下の須藤被告と結婚、金融業などを営み、総資産は50億円とも言われていました。
須藤被告は野崎さんとは別の男性から金をだまし取った詐欺事件の当時19歳でしたが、社会的関心の高い殺人事件の被告人として、すでに実名報道されていることなどから、実名で報道します。
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