広島市の神社でさい銭泥棒を繰り返していた男がついに逮捕された。男はある物を使ってさい銭箱からお金を取り出し、犯行を重ねていた。防犯カメラがその一部始終を記録していた。

“ほうき”の先端に粘着テープつけて犯行に及ぶ

被害に遭ったのは、広島市の繁華街にある「中の棚稲荷神社」。小さな神社のため、その維持管理を商店街が担ってきたという。中の棚商店街振興組合の尾﨑頼寿事務局長は「いつも奉仕してる神社に対して、さい銭を取るというのはもう許せない」と怒りをにじませる。

被害に気づいたのは2023年7月。お金を回収しようとさい銭箱の中を見ると、先端に粘着テープのついた神社のほうきが見つかった。

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防犯カメラ映像に犯行の一部始終が記録されていた。1月8日午後10時過ぎ、神社に現れたマスクとニット帽姿の男。さい銭箱の中をのぞき込んだ後、一旦どこかへ行った。そして再び現れた男の手には、神社のほうきが握られていた。先端には粘着テープのようなものも確認できる。

男は、ほうきをさい銭箱の中に思いっきり突っ込み、あたりを警戒。すると、神社の中から灯りが…。実はこの日は、境内で催しの準備をしていた女性が偶然いたのだ。

動揺を隠せない男

男が慌ててさい銭箱からほうきを取り出す。先端にはお札がくっついていた。動揺を隠せない男は、「ごめんなさい。間違えたんで…取った。1万円と1000円」と言うと、財布に盗んだお札をしまい、逃げていった。

後日、商店街は男の顔写真入りポスターを作ってさい銭箱の前に貼り、盗みに使われた神社のほうきも撤去した。ところが約2カ月後、男は再びカメラの前に現れた。

この時は、ほうきではなく木の棒を使用

3月1日午後7時20分過ぎ、男は細い木の棒を取り出して、さい銭箱に突っ込む。引き上げた木の先にはお札がついていた。中の棚商店街振興組合の尾﨑事務局長によると、男は境内の木の枝を折ってその先に粘着テープを巻いて使ったりしていたという。

別の日には、防犯カメラに映らないよう、カバンで手元を隠す様子もみられた。防犯カメラの管理をしている商店街振興組合の会員によると、男はほぼ毎日来ていたという。尾﨑事務局長は「1000円とか5千円、1万円というお札も一定量毎月入る。おさい銭は多い方」と話す。

警察官が張り込んで男を確保

約10カ月に及んだ被害。ついに警察官が張り込むことになった。

神社に現れた男は、いつものようにカバンで隠しながら棒を入れ、お札を盗んだ。その瞬間、部屋の中にいた警察官が飛び出し、確保。警察官に「今、取ったね?」と言われ、「はい」と答えた男。手に持った1000円札は震えていた。

現行犯で逮捕されたのは、無職の竹田幸雄容疑者(49)。所持金はわずか38円だった。竹田容疑者は「この神社で繰り返し犯行に及んでいたことは認めます」と供述。警察は余罪などを捜査中だという。
(「Mr.サンデー」5月26日放送より)

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