大阪府警に逮捕された男性が、拘置所に移送された際、HIVに感染しているという情報が引き継がれず、治療が中断されエイズを発症したとして、大阪弁護士会が警察に適切な引き継ぎをするよう要望しました。

■「手錠をしたまま病院に行きたくない」受刑者が治療を拒否 投薬が中断

大阪弁護士会によると、2020年7月に大阪府警に逮捕された現在50代の男性受刑者は、阿倍野警察署に留置されました。

警察は男性受刑者を捜査する段階で、HIVに感染して病院に通院していることも把握していて、診察や治療を促しましたが「手錠をしたまま病院に行きたくない」などと男性受刑者が拒否し、投薬治療が中断していました。

■警察から拘置所にHIV感染の情報が引き継がれず

その後、男性受刑者は大阪拘置所に移送されましたが、その際にHIVに感染しているという情報が警察から拘置所に引き継がれず、治療は中断されたままで、その後刑務所に入った際に、男性受刑者はエイズ発症の指標とされるニューモシスチス肺炎で入院しました。

■「HIVは治療中断がエイズ発症を招くもので極めて問題」と弁護士会

男性受刑者は現在回復していて、2022年に弁護士会に人権救済を申し立てていました。

大阪弁護士会は「ただちに人権侵害にあたるとは判断しなかった」ものの「引き継ぎがあれば、拘置所で治療が早期に再開されていた可能性があり、HIVは治療中断がエイズ発症を招くもので極めて問題」などと指摘。

27日付で大阪府警に対し、感染症など健康状態の引き継ぎを徹底するよう要望しました。

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