冤罪事件で無罪が確定した女性が捜査機関の責任を追及する裁判。

当時、捜査を指揮した元警察官が、『病死』の可能性が書かれた捜査資料について「記憶にない」と話しました。

■12年服役 やり直しの裁判で無罪確定

湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(44)は、入院患者を殺害したとして12年間服役しましたが、やり直しの裁判で無罪が確定しました。

その後、西山さんは捜査機関の責任を追及する民事裁判を起こしていて、30日の裁判では当時、捜査を指揮した滋賀県警の元警察官が証人として出廷しました。

■捜査指揮の元警察官が証人として出廷 『病死』の可能性言及の証拠「記憶にない」

滋賀県警は解剖医が『病死』の可能性に言及した捜査資料を当時、検察に送っていなかったことがわかっていますが、元警察官はこの証拠の存在について「記憶にない」と話しました。

■検察に未送致の理由「全て送らないといけないと理解していなかった」

また、未送致だった理由については「メモのような報告書で未完成なもの、不正確なもの、メモとして扱っているものも全て送らないといけないと理解していなかった」などと話しました。

検察は証拠の未送致がわかった後、やり直しの裁判での有罪立証を事実上、断念していますが、元警察官は「いま考えても捜査方針に影響を与えるものではない」と釈明。

また、患者の人工呼吸器が外れると鳴るアラーム音について滋賀県警は、西山さんが、継続的に音を消す機能を使ったことを自白したとしていましたが、病院の看護師がこの機能を知っていたか聞かれた元警察官は「この機能を知っている看護師は出てこなかった」と話しました。

■西山さんが取り調べ実施の警察官に「恋愛感情あるとは思えなかった」

そして、西山さんが取り調べを行った警察官に好意を抱いていたことへの認識については、「掴みかかってきたり激しく罵倒したり、とても恋愛感情があるとは思えなかった」と述べました。

来月27日に西山さんの尋問が行われる予定です。

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